現代浮世絵師が指摘 湯川さん殺害画像はニセモノ

2015年01月27日 16時00分

「イスラム国」に拘束され、殺害されたとされる湯川遥菜さん(42)の遺体画像が公開され、日本中が衝撃を受けた。その画像の遺体は後ろ手に縛られ、首を切断され、畑のうねのような場所にうつぶせになっている。切断された首は背中に載せられている。

 本紙で10年間、春画を連載し、現在は香港で現代浮世絵師として芸術活動している水原紫織氏(55)はこう語る。

「本当に湯川さんが殺害されたのか、頭部が殺された湯川さんのものなのか、生きている湯川さんのものなのかは分かりません。ただし、プロの画家の責任として、後藤さんが持っている湯川さんとみられる遺体の画像はニセモノのフェイク画像です」

 水原氏は数多くの絵を描いてきたため、服を着ていてもその人の裸が分かるほど、人体の骨格などに精通している。画像の不自然さをこう指摘する。

「畑のうねの段々になっている場所に遺体があるのに、遺体が地面と接している部分が直線になっています。また、オレンジ色の服ならば、畑や載せられた頭部にオレンジの反射光が映るはずなのに、それもない。逆に草や土の色の反射光も服にない。これは平たい床のような場所に置いた体を撮影したものを、あとから畑に合成したからでしょう」

 そして、頭部が置かれている位置や大きさも不自然だという。「頭部は背中の左半身だけに載っている。もうすこし手前の背中の真ん中近くでないと、安定して載せられません。また、後ろ手になった手の大きさと比較しても、頭部が大きすぎます。体と比較して頭部の倍率が大きすぎます」と水原氏。

 一番の不自然さは右手のヒジ関節が2つあることだ。

 水原氏は「右手が2か所で曲がっています。人体の腕の長さからすると、上部の曲がっている部分は肩です。そして、その肩から首の切断部分までが長すぎます。つまり、頭まで服をすっぽりかぶった誰かが、うつぶせになって、遺体を演じているのではないでしょうか」と指摘する。

 画像はニセモノであったとしても、イスラム国とされる組織が、湯川さんを殺害したと断定していることは事実。それでも、水原氏は「画像ははっきりとニセモノです。この残酷なフェイク画像が戦争の口実とならないことを願います」と語る。