【異物混入】マクドナルド無反省の“タイ工場切り捨て”

2015年01月09日 10時00分

謝罪した日本マクドナルドホールディングスの青木岳彦取締役(右)と日本マクドナルドの菱沼秀仁取締役

 開き直りの会見だった。日本マクドナルドは7日、チキンナゲットなどの商品への相次ぐ異物混入について記者会見を行い、ナゲットを生産するタイ工場からの撤退をほのめかした。一連の事案をマックは積極的に公表してこなかったが、青木岳彦取締役は「適切な対応だと思います」と、広く消費者に知らせる必要はないと言い切った。どこまで反省しているか不明なまま、ナゲットについてはタイ工場側の責任として終結されそうな気配だ。

 この日、マックが明かした異物混入は4件。今月、青森県三沢市の店舗で販売されたナゲットから青いビニール片が見つかり、東京都江東区で先月、ナゲットに透明のビニール片が入っていた。昨年8月には大阪で売られたポテトに人間の歯が混入。すでに大きく報じられたこの3件のほか、福島県郡山市で先月、デザート「サンデー チョコレート」にプラスチック片が混入し、食べた子供が口の中を切っていたことも発表された。

 デザートの件は「機械を組み立てるときにあるべきパーツを付け忘れたために、部品の破損につながった」(菱沼秀仁取締役)と、マック側の非を認めた。歯の混入については「歯がフライされた形跡はなく、製造過程で混入された可能性は低い」と説明した。

 青森のナゲットのビニール片は「タイの工場にあるかもしれない」と調査中。江東区の透明ビニール片は従業員のミスで現物を紛失した。タイの工場では透明のビニールは使っていないという。

 当然、会見では「タイでの製造にマイナスイメージが出てくる。タイ産がダメだとなったらどうするのか」と質問が飛んだ。菱沼氏は「まだ調査の段階だが、ブラジルから輸入できるか検討している」と、タイからの撤退もあるとした。

 そもそもナゲットをタイで製造しているのは、中国で起きた使用期限切れ食肉問題があったからだ。それまでマックは中国の食肉加工会社にナゲットを依頼していたが「ブランドに対する信頼が何よりも大切」(サラ・カサノバ社長)と、昨年7月にすべてタイ産に切り替えていた。

「タイのせいにするのは疑問です」と話すのはタイ取材の経験が長い日本人ジャーナリスト。

「タイ人は性格にいい加減な面もありますが、衛生管理については世界でも評価されている。だからこそマックは工場を置いた。ほかにも冷凍食品やドッグフードの工場もある。タイの工場だから混入したわけではないでしょう」

 中国の食肉問題が起きてからタイに工場を移した企業が多いという。

「食品問題を取材するジャーナリストが『中国のようにタイでも同じことが起きるのではないか』と問題意識を持って取材していましたが、変なところは何も見つけられなかったと話していました。日本の工場でも混入はあり得るし、たまたまのケースですよ」(前出のジャーナリスト)

 マックではほかにも確認中の案件として、京都の店舗でホットケーキに金具、沖縄ではマフィンにプラスチック片が混入していたとの苦情があったことも分かった。それでも、問題はタイのナゲット工場だけなのか?

 会見には「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)の大江麻理子キャスター(36)や、フジテレビの木村拓也アナ(24)ら多くのアナウンサーも取材に訪れる注目ぶりだった。