悪質な遺品整理業者の実態

2015年01月10日 09時30分

エンディングノートは様々な種類が発売されている

 高齢化社会ゆえの流れなのか!? このお正月にも、お年寄りが餠をノドに詰まらせ亡くなった。遺族は故人の住み家や持ち物の整理をしなくてはならない。つらい作業となる。そんななか、遺品整理業の需要が高まり、同業を新規に始める建設業者が増えている。しかし、専門家は「不祥事が増加する」と指摘。また、金に目がくらんだ悪質な遺品整理業者の実態が暴露された。決して人ごとではない。

 人の死後、家財道具などを処理するのが遺品整理だ。高齢者や自殺者の増加で需要は年々倍増している。

 昨年秋、空き家対策特別措置法が成立した。住宅総数に占める空き家は1割を軽く超えており、景観・治安・防災など複数の面で問題視されている。今年6月ごろまでに施行される同法によって、解体や修繕に行政が口を出しやすくなり、空き家解体の件数は増加するだろう。そこで建設業者が遺品整理業に進出するようになった。

 一般社団法人「遺品整理士認定協会」の小根英人理事は「建物の解体と、残置物(=家財道具など)の処分には決定的な違いがある。それはゴミの区分。解体で出たものは産業廃棄物だが、残置物は一般ゴミ」と語る。

 建設業者や解体業者が解体・産廃処理を手がけ、家財は遺品整理士やリサイクル業者などが処分していた。が、これは建て前だ。「建設・解体業者には内々に残置物もゴミとして処理していたところもある。そのほうが手間も金もかからない」(事情通)。さらに、タンスなどをその場で解体して木くずにすると、産廃扱いになるという裏技もあるそうだ。

 遺品整理が昨今注目を集め、同法施行への動きで空き家解体に厳密なルールが設けられ、建設業者はこれまでのやり方ができなくなった。

「遺品整理に手を出せば、従来通り1社ですべての仕事ができる」(小根氏)

 悪質な業者も多い。

「新規事業への補助金は県だけでなく、市町村や商工会からも出ることがある。遺品整理業は新規事業モデルとして認知が進みつつあり、補助金を受けやすい場合がある。それを逆手にとる悪質な業者がいることは事実」(同氏)

 借りた会場に高齢者を集めて遺品整理の説明会を開催した、といった名目で補助金を受け取りながら、実際は説明会など開かれなかったということもあるそうだ。

 故人の遺志を尊重するため、生前から低料金で財産配分や葬式などの情報を記述する「エンディングノート」を作る動きも出ている。専門家としての「エンディングノートプランナー」の養成講座も昨年12月から始まった。小根氏は「悪質な業者の増加は、遺品整理業界全体の信頼を低下させる」と危惧する。注意が必要だろう。