金返せ! クリスマスイブ前日の23日に東京・お台場で行われた「サンタクロースミュージックフェス」に参加者から怒りの声が相次いでいる。

 事前告知では「当日はサンタの衣装を着た最大1万人の男女が集結。お台場周辺をランニングした後、食事の場が設けられ、そこで音楽を聴きながら盛り上がる」というものだった。参加料は3500円。

 ところが、実際はランニングコースの案内はなく、ひたすら放浪させられた揚げ句、だだっ広い公園のような場所へ。そこには長テーブルが2つ置かれているだけだった。

 さらに驚くべきは音響設備。1万人規模のミュージックフェスをうたっていながら、パソコンと小さなスピーカー2つ。これでどう楽しめというのか…。参加者が「聞いていた内容と違う」「詐欺だ!」とブチ切れるのも当然だろう。

 似たようなケースで記憶に新しいのは、21日に実施予定だった東京・荒川マラソンだ。某NPO団体が企画したもので、参加料2000~4000円を徴収しながら、直前に道路使用許可申請をしていないことが判明し、開催は中止となった。

 消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士は「バブル期やIT系企業が躍進した2000年にこの手のイベント商法がブームとなったが、最近また増えてきている」と指摘。だが、仮にイベントがしょぼいからといって詐欺で訴えることは「ほぼ不可能。どう感じるかは個人差がある」。返金についても「実際にイベントが行われた場合は取り返すことは困難」という。

 サンタイベントを企画したコラボレーションジャパン株式会社は本紙に「弊社が詐欺を行おうとしていた事実はありません」とコメント。紀藤弁護士は「文句を言うなら警察ではなく、消費者庁でしょう。事前の案内と実際の内容があまりにも違う場合は不当表示防止法に抵触し、行政処分の対象となる。何より、ずさんなイベントを連発すれば、その企業は自然淘汰されていく」と話している。