“慎太郎節”は最後まで変わらなかった。

 衆院選比例東京ブロックで落選した次世代の党・石原慎太郎最高顧問(82)が16日、日本記者クラブで会見し、政界引退を正式表明した。比例最下位からの出馬は事実上の引退表明だったが「討ち死にするのも宿命と思った」と殊勝なコメント。一方で党の惨敗原因について「党名が浸透しにくかった。私は『新党ヤマト』が良かったけど『宇宙戦艦ヤマト』というアニメがあって紛らわしいとかで」と笑った。

 衆院選の話題を自ら早々と打ち切ると、いよいよ本領発揮。分党前に盟友だった維新の党・橋下徹共同代表(45)を「総理になれると思う。あんなに演説のうまい人を見たことがない。言葉の調子は違うが田中角栄だね、若い時の。それから、例えはよくないが、演説のうまさ、迫力は若い時のヒトラー。ヒトラーってのは後にバカなことをしたけども…」とホメちぎった。

 さらに中国メディアから「石原先生は中国人は本当に嫌いですか?」と“直球”の質問を受けると「嫌い!共産中国を好きな人いない。嫌いだ。あなた方がチベットをなくしたんだ」と“直球返し”。石原都知事時代の東京都が尖閣諸島を買おうという運動で日中関係は悪化したなどと突っ込まれても「(中国側が)もうちょっと頭を冷やして、共産党の独裁というのを壊滅させなければダメだ」とバッサリ切り返した。

 この日は田中角栄元首相の命日だったが、かつて金権批判の論文を巡って対立した角栄氏を「角さんは非常に懐かしい人。あんな面白い人はいない。ああいうバルザック的(中世的)な人物はいなくなった」などと懐古。会見の最後は「人から憎まれて死にたいと思う」と締めくくったが、石原慎太郎という人物もまた、“こんな面白い人もいない”という気がするが…。