人間だけじゃない!動物&昆虫の同性愛

2014年11月30日 09時00分

 アイルランド・メイヨー州の牧場の同性愛種牛の命が、すんでのところで救われた。種付けできず、殺処分されそうになったが、同性愛者サイトがクラウドファンディングで、助命のための資金集めをし、調達した約170万円で牧場主からこの牛を買い取ったのだ。実は、同性愛は人間だけでなく、動物や昆虫にも存在するという。

 いったんは殺処分されることになったものの、命を救われたのは種牛の「ベンジー」。同性愛牛だったため、雌牛に種付けできず、食肉処理場に送られることになったというニュースを知った英同性愛者サイト「ザ・ゲイ・UK」などが動き、クラウドファンディングで約170万円を集めた。牧場主から買い取られたベンジーは、近く英国の動物保護区に移されるという。

 ダーウィンの進化論などでは「生物は遺伝子の乗り物にすぎない」とされ、あらゆる生物は子孫を残すためだけに生きているという。知的な人類は自然界のおきてを乗り越え、人生を楽しむために生きるということで、ノーマル、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどさまざま“性別”がある。しかし、本能のままに生きているはずの動物にも、同性愛は意外なほど多い。

 英BBCなどが今月「南アフリカ共和国・マリオン島で、オットセイがペンギンを捕まえて交尾する」と報じた。オットセイなどの海獣類はハーレムを作り、たった1頭のオスが数百頭のメスを独占する。

 性欲をもてあまし、あぶれた若いオス同士が同性愛行為に至ることがあるが、同島のオスはキングペンギンを相手にする。しかも、ペンギンの性別は不問。捕まえたペンギンなら、オスであろうが、穴さえあればやってしまうようだ。

 そのペンギンも同性愛が多いことで知られている。100年前の南極探検隊によるリポートに始まり、現代でも米国、ドイツ、デンマーク、中国など世界中の動物園で同性愛ペンギンが実は見つかっている。だが、オスのペンギンカップルは愛し合っても子供ができない。そこで、メスが産んで放置した卵を横取りし、オス同士で温め、ふ化させ、ヒナを育てるという。人間のようにAVを見たり、性教育を受けるわけではない。若いペンギン同士だと、繁殖期に性的に興奮しても、どうしていいか分からず、オス同士で愛し合って満足することもあるようだ。

 キリンは、何とオスの9割以上がオス同士で交尾するという研究データがある。その理由は完全に解明されてはいないが、おおよそはオス同士のケンカの延長だという。

 年中発情する人間と違い、自然界の動物には発情期がある。発情期は1匹のメスをめぐって多くのオスがケンカを行う。キリンの場合、お互い長い首をぶつけ合う。死ぬこともあるほど激しいケンカだ。

 本当に強いオスはガチンコのケンカを勝ちあがって、メスとの交尾の権利を得る。しかし、ケンカが強くないオス同士だと、お互い死なない程度のゆる~いケンカになる。その際に、ケンカの興奮が性的興奮に転換され、そのままオス同士で交尾をするという。

 昆虫では、貯蔵穀物の害虫として世界を悩ませているコクヌストモドキに同性愛行為が多い。米マサチューセッツ州のタフツ大学のサラ・ルイス氏は雑誌「ジャーナル・オブ・エボリューショナリー・バイオロジー」で「オス同士で精液を掛け合った後、メスと交尾すると、メスは交尾相手の精子ではなく、交尾相手の体表に付着した別のオスの精子で受精していることが多い。オスはメスと交尾せずとも、オス同士で精子をぶっ掛け合うことで、繁殖に成功している」と発表している。 いやはや、様々な同性愛の形があるものだ。