スペインで、なんとも“不幸な事故”が起きてしまい「神様もさぞやお困りになっているだろう」と地元メディアが報じている。
同国南部のボルハ市の教会の柱には、1910年に描かれた「この人を見よ」と題されたイエス・キリストの肖像画があった。作者は、同国では有名なエリアス・ガルシア・マルティネスという名の画家だ。柱に直接描かれたキリストは、いばらの冠をかぶせられ、首をかしげ憂いを帯びた目をしている。
だが、いかんせん100年前の絵。キャンバスでなく木材に描かれているだけに、左の頬から髪の毛のところと胸の下あたりの絵の具の大半が剥げ落ちてしまい、なんともみすぼらしい姿になっていた。さすがに、神父様も「なんとかせねばイエス様に申し訳ない」と思っていたのだろう。
そんなとき「私が修復してさしあげましょう」と名乗り出た人がいた。「私はこう見えても画家よ」と神父様に話を持ちかけたのは、80代のおばあちゃん。あまりに自信たっぷりだったため神父様はお願いしてしまった。ところが…。
おばあちゃんは、余裕の表情でいきなり原画の上に筆を走らせた。だが、出来上がった絵は、小学校低学年の「お絵かき」レベル。しかもどう見ても「おサルさん」。
地元の文化当局者によるとおばあちゃんは「何年もかけて精一杯修復しようとしてきたけれど、完成を目前に、諦めなければならなくなってしまったのよ」とつじつまの合わない意味不明の説明をしたという。
市側は、おばあちゃんを訴えるかどうか検討しているという。