大胆不敵すぎる「海賊に襲撃された」詐欺

2014年11月23日 09時00分

 大がかりな組織犯罪なのか。仲間と共謀のうえ、都内の女性(37)から金をだまし取ろうとしたとして、警視庁東村山署は20日までに、練馬区のリベリア国籍で自称飲食業キティオ・ロバート・サー容疑者(26)を詐欺未遂容疑で逮捕した。

 福生市のスターバックスで女性から約80万円をだまし取ろうとして現行犯逮捕されたサー容疑者は「彼女から頼まれて現金を受け取りに行っただけ」と否認している。

 発端は出会い系SNSアプリ「ミートアップ」だった。女性はアプリを通じて「横須賀海軍基地のエンジニア、ジム・ピーターソン」なる男と知り合った。「仕事でインドに行くことが多い。マラッカ海峡で海賊に襲撃され、ラブアン島に緊急寄港した。また襲撃されて荷物を奪われたら困るので、日本に送りたい」と女性に連絡した。

 荷物はマレーシアの配送会社を使って、横田基地に届けたという。

「配送には27万円の税金がかかった。業者に金を渡してほしい」と言われた女性は11月11日、福生のスタバに現れた“業者役”のサー容疑者に金を渡してしまった。その後も「基地での荷物預かり手数料」という名目で80万円を要求されたが、不審に思った女性がインターネットで調べると、在マレーシア日本大使館が同様のトラブルについて注意喚起しているのを見つけた。警察に通報し、逮捕となった。

 東村山署幹部は「横須賀海軍は『ジムという男は存在しない』と言っている。荷物の存在も怪しい」と語る。サー容疑者がジムを演じていたのか、共犯が存在するのかは不明だが「海賊に襲撃された」という突拍子もない詐欺の手口は大胆不敵すぎる。

「他の被害はまだ報告されていないが、注意を広めたい」と警戒する同署は27万円を受け取った詐欺容疑でサー容疑者を再逮捕する方針だ。