幸福の科学大学「不認可問題」双方の言い分

2014年11月22日 16時00分

 幸福の科学大学設置不認可問題で、幸福の科学大学は7日と11日、文部科学大臣に異議申立書を提出し、同大学の不認可の取り消しと設置許可を求めたが、却下されていたことが明らかになった。キリスト教や仏教などの伝統的宗教系、新宗教系など宗教系の私立大学は数多くあるが、幸福の科学大学は、なぜ不認可になったのか。

 文部科学省管轄の大学設置・学校法人審議会は先月29日、来年4月の新設を申請していた幸福の科学大学(千葉県長生村)について、不認可とするよう下村博文文科相に答申した。設置審は不認可理由で、宗教法人「幸福の科学」の大川隆法総裁の「霊言」は科学的合理性を立証できておらず、「『霊言』を大学教育の根底に据えることは、『学術の中心』としての大学の目的を達成できると認められない」とした。

 幸福の科学グループの里村英一広報局担当は「文科省サイドと58回もやりとりして、是正の意見を言われた部分は変えた。それが急に不認可となり、『霊言』をその理由に言いだしたのは不可解。そもそも、『霊言』を根底に据えていないし、そこを事前に是正をしろという指導があれば、是正をしました」と語る。

 同大は異議申し立てをしたが却下された。申立書の一部を要約すると、幸福の科学出版が6月に「文部科学大臣・下村博文守護霊インタビュー」を刊行する前日、下村文科相が幸福実現党のA氏に直接、「誹謗中傷の内容である。いまなら、対応の仕方がある。本のストップは当然のことだ」などと電話。第2弾「下村博文守護霊の霊言パート2」が出るタイミングでも威圧があったという。

 文科省は「大臣の個別の発言については、大臣から聞いておりませんので、申し上げられません」と言う。一方、前出の里村氏は「幸福の科学大学ではなく、幸福実現党の職員に電話してきた。出版妨害だけではなく、幸福実現党を解散しろというプレッシャーをかけられたようなものです」と語る。

 いずれにせよ、「霊言」が理由で不認可となった。ほとんどの宗教は、神的存在からのメッセージを創始者が受けたことでスタートする。そして、メッセージ、神話や伝説を根幹とする。新宗教系も含めた宗教系の大学では、その宗旨を大学の理念とし、授業でも教える。幸福の科学大学の「霊言」はそれらとどう違うのか。

 文科省は「宗教を裏付けるものに、歴史的蓄積と研究の成果、文献があります。しかし、幸福の科学さんの『霊言』は学会の中で研究がなされておらず、科学的・学問的アプローチがなされていません。そのため、現時点での不認可であり、未来永劫に不認可というわけではありません」と説明する。

 蓄積というが、宗教系の大学にはキリスト教系や仏教系のような2000年にわたるものもあれば、100年に満たない新宗教系もある。

 前出の里村氏は「宗教系大学はたくさんあるのに、『霊言』を理由に不認可を出したのは、公正中立を欠いていると言わざるを得ません。公立大学は別として、私学は学問の自由が認められている。規制緩和の流れの中、国家が過度に民間に介入する部分は時代に逆行しています」と主張する。

 今後、最長で5年間認可されない可能性があるといい、同大はさらに異議申し立てを行うという。