次世代の党の石原慎太郎最高顧問(82)が14日、衆院解散・総選挙となった場合、衆院選へ立候補をせずに引退すると示唆した。解散風は石原氏の“終活”に大きく影響しかねない。


 石原氏は解散時の進退を問われ「老兵は死なず、消えていくのみだ。私は最高齢者で肉体的な条件もあり、皆に迷惑はかけてはいけない」とダグラス・マッカーサー米元帥の退任あいさつで有名なフレーズを引用し、政界引退の意向を示した。


「石原氏の“2度目の政治家引退”は既定路線。予算委員会や街頭演説では変わらず雄弁ですが、昨年、軽い脳梗塞を発症して以降、体力低下が著しく、本会議への出席は相当、こたえている。その日に備え、身辺整理も進めているようです」(野党関係者)


 石原氏は今年、生まれ育った神奈川・逗子の邸宅を売却し、所蔵していた約3200冊もの本を地元図書館に寄贈。「太陽の季節」の初版、英語、フランス語版から実弟・裕次郎さんの関連本、同年代の著名作家が石原氏へ宛てた揮毫(きごう)入り本などコレクター垂ぜんの本ばかりだ。「ご自身が書いた本ももう手元にないのでは」(逗子市立図書館)。同図書館は「石原慎太郎文庫」と題し、閲覧コーナーを設置。記念式典で石原氏は涙を流したという。


 着々と“終活”は進んでいるが、政界だけはうまく事が運びそうにない。石原氏は維新から分裂した次世代の党最高顧問のほか、西村真悟衆院議員(66)、田母神俊雄元航空幕僚長(66)が復活させた太陽の党の応援団長も務めている。


「次世代の現職19人中16人が、前回維新の風で当選した比例組。今回選挙となれば、半数でも生き残れば御の字。太陽の党に至っては、田母神氏は2年後の参院選狙いで、西村氏が落選してしまえば消滅危機で、次世代への合流も取りざたされている」(永田町関係者)


“石原頼み”の選挙では応援依頼が舞い込むのは必至。自身は出馬せずとも、簡単に“政界引退”とはいきそうにない。