中国・北京で11日に閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)でホスト役にもかかわらず習近平国家主席(61)は、2年半ぶりに実現した日中首脳会談で安倍晋三首相(60)と握手するも、笑顔ひとつ見せず、目も合わせない度量の小ささを世界に見せたが、中国の“小ささ”はそれだけではなかった。

 習氏のワンマンショーだったAPECの舞台裏では、中国指導部のもくろみが大きく外れてしまう事態が起きていたのだ。

 中国といえば「今どき世界中どこを見回しても、こんなに汚い空気はない」という大気汚染で知られている。当局はAPEC期間を含む5日間、北京とその近郊にある工場の操業停止を命じ、マイカーの使用も規制するなど、大気清浄化対策を試みた。

 ところが、そんな“やっつけ仕事”で環境改善などできるはずもなく、結局、APEC期間中も、いつも通りのPM2・5が市内を覆った。

 それだけならまだしも、期間中は民間モニターサイトの閉鎖を命じたというから、まさにいつもの「臭いものにはフタ」だ。同サイトには「当局の指導により、今月の大気に関するデータは、北京環境保護局発表のものをご覧ください」とのメッセージがあった。

 期間中には青空が見える時間帯もあり、ツイッターなどでは「中国人も空の色が青いことを知ったらしい」などとちゃかし「APECブルー」と名づけられた。

 APECが開幕した10日、北京にある米国大使館の大気モニタリングポストは「157」という数値を示した。これは「健康を害する」レベルだった。