12月に行われる鹿児島県阿久根市の市長選に、2010年にリコールされた“ブログ市長”こと竹原信一前市長(55)が出馬の意向を示しているという。

 阿久根市といえば、竹原市政下で進められた「ウォールアート事業」を思い出す人も多いだろう。市が補助金を出して画家に依頼し、商店街のシャッターや港の防波堤にキャラクターなどの絵を描かせていた。しかし、その一部が著作権違反だと指摘され、後を継いだ西平良将市長(41)は「消す」と宣言していた。

 あれから4年。阿久根のウォールアートはどうなったのか。

 まず阿久根駅の駅舎が水戸岡鋭治氏デザインの洗練されたものに建て替えられ、カフェが併設されたおしゃれスポットになっていた。さらに商店街へ進むと、そのまま絵が残っている。ビートルズらしき4人組やフェルメール風、高校野球など以前のままだ。

 港もそのまま。「これ大丈夫なの?」というキャラもそのまま残っている。かつて市役所にあった「ボンタンアメ」と商品名が書かれていた看板は「ボンタン 温泉 鹿のまち」と書き換えられていた。そして大きく変わっていたのは消防署。ピカチュウや所ジョージらしき人物が描かれていた壁は、海の風景になっていた。

 阿久根市商工観光課によると「消防署は著作権者から指摘を受けて描き直した」という。その他の絵については「お店などで消したいということで消した例はありますが、その他はそのままです。議会でも『絵を消す』という議題が出たことはありません」と説明する。結局、ほぼそのまま残ったのだ。

 話題になったあのアート。まだ見に行くチャンスは残っている。