朝鮮総連中央本部「今度こそ売却」で心配の声が…

2014年11月07日 16時00分

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の競売問題で、最高裁判所は5日、不服を申し立てた総連側の主張を退け、高松市の不動産業「マルナカホールディングス」への売却を認める決定を出した。

 最高裁決定により落札が確定したマルナカホールディングスは「手続きを進めるだけだ」との方針を発表した。同社は「入札は投資目的」と明言。拉致問題をはじめとする外交問題と無関係の行為であれば、22億1000万円の代金を裁判所に納付し、所有権が移る。

 建物は朝鮮総連の拠点で事実上の“大使館”とも呼ばれ、都内一等地にある。最高裁判所の決定について、総連側は「お話しすることはありません」とコメントしているが、スムーズに明け渡すかは不透明だ。

 今年9月、朝鮮総連トップの許宗萬(ホ・ジョンマン)議長らが8年ぶりに訪朝して金正恩第1書記と面会した際「総連中央本部の競売問題を今後、どう解決すればいいでしょうか?」と指示を仰いでいたという。

 平壌情勢に詳しい関係者は「正恩氏からは『都内の立地条件がいい場所にあるのだから、絶対に手放すな』と命令された。日本政府は今年3月の日朝局長級協議の中で『総連本部の競売は司法の手に移ったことでどうにもならない』と伝えていた。正恩氏は側近から日本側の意向を聞いたはず。多分“司法”の意味が理解できなかったということです」と明かす。

 総連本部の売却が認められたことで「拉致被害者の救出に悪影響が出るのではないか」と心配の声が上がっている。

「正恩氏は総連本部の明け渡しについては納得していない。北朝鮮は社会主義の国ですから、日本政府もマスコミに対して情報統制が取れると考えてしまう。総連本部の競売も拉致問題を進展させたいためなら、日本政府が調整を付けられると本気で考えていたのでしょう」(同)

 正恩氏の意向に背くことができない総連側が今後、どんな手を打ってくるか注目される。