モデル写真撮影を口実に乱暴した男の正体

2014年11月05日 16時00分

 群馬県警桐生署は先月31日、わいせつ誘拐と準強姦容疑で桐生市菱町の自称アルバイト田所一夫容疑者(60)を逮捕した。

 7月上旬、ダンス教室で知り合った20代後半の女性に対して「舞台監督をやっている。芸術祭のファッションショーのモデルをやってみないか」と声をかけ、芸術祭の資料を渡しながら、「前撮り写真を撮りたい」と誘った。

 同月19日、桐生市内で女性を車に乗せると、自宅へ連れ込み、部屋の中で撮影をするとともに、女性の体を触るなどして困惑させたうえ、その混乱状態に乗じて性的暴行に及んだ疑いだ。

 被害届をきっかけに捜査が始まった。警察の調べに「触ったり、セックスしようとしたことは間違いない」とする一方で「撮影していると、そういう雰囲気になった」などと述べて犯意は否認しているという。

 田所容疑者は「桐生キネマ塾」という市民団体を主宰。カルチャーセンターで「話し方講座」の講師を務めたり、市の講演やイベントなどに登壇していた。地元の群馬県桐生市では知る人ぞ知る存在だったようだ。

 今回、女性を誘う口実に使ったのは市内で開催されていたイベント「有鄰館芸術祭」(10月11~26日)だ。テーマは「エロース(性愛)とタナトス(死)」。短編映画の上映や、ファッションショーが催されたという。同祭は今月3日まで開かれていた桐生市や商工会議所も協力する「第19回桐生ファッションウィーク」のコンテンツの一つとなっていた。

 役所のお墨付きがあれば、女性が男の言葉を信用するのも仕方ないかもしれない。まんまと自宅に連れ込むと、男は女性をなんと裸にして撮影を始めた。仕事と思ってついていったのに、なぜかエロスな展開が始まり、女性は混乱。よく分からないうちに乱暴されてしまったようだ。

 今後、起訴されて裁判になった場合、性交の際に合意があったか、そしてエロ目的で家に連れ込んだかどうかが焦点になる。立場を利用して女性を籠絡したケースが他にもあるか、警察は慎重に捜査を進めている。