3日夕刻ごろ、九州や中国地方で「上空で明るい光が流れるのを見た」との目撃情報が、天文台や気象台に相次いだ。専門家は流れ星の一種で明るい光を放つ「火球(かきゅう)」だった可能性があるとみている。

 九州や中国地方で「明るい光」の目撃情報が相次いだのは、3日午後6時ごろのことだった。

 福岡県八女市星野村の天文台「星の文化館」では、来館者の女性が南西の上空に光を目撃。福岡市の福岡管区気象台には「明るい光が東から西の方向に流れた」「燃えるような光を見た」などと約10件の通報があった。

「星の文化館」の天文指導員池田隆裕さんは「流れ星の中でも光の強い火球だった可能性があり、目撃情報も相次いだのだろう」と話す。広島市の広島地方気象台にも「緑色の光を見た」との通報があった。

 ツイッターでも、3日午後7時ごろから火球に関するツイートが急増。メディアが報じ始めた深夜近くにさらに増え、テレビ各局が4日朝のニュースで報じると、再び話題に。UFOかと疑うつぶやきはなかったようだが、「火球」とは何かというウンチク話で盛り上がった。

 テレビでも放送された映像では、大きな光る物体が流れるように空を横切っている。昨年2月にロシア・チェリャビンスク州に落下した隕石をも思わせる光景だ。

 福岡空港に自局のロボットカメラが設置されているNHKは、3日午後5時54分ごろ、目撃情報のもとになったとみられる物体が撮影されていたと報道。航空当局に取材したところ、事故の情報はないという。朝日新聞や毎日新聞もウェブ版で相次いで報じており、火球騒動はトップ級のニュースとなった。