若者の仕事に対する考え方が変わりつつある。

 リクルートエージェントやマイナビエージェントといった転職活動をサポートするサイトが近年増加しており、20代に特化したものや美容業界に絞ったものなど種類も豊富になっている。

 こうした中、20代の転職活動にある変化が表れている。

 人材サービスを展開するパーソルキャリアは先月、2011年から現在までに同社の転職サイトに会員登録した人のうち、4月に登録した新社会人の数が、10年間で約26倍に増加していたことを発表した。同社はこのデータから若者の「働く価値観」に変化が見られると指摘。新社会人は将来の転職に備えて、早い段階から転職サイトに登録して情報収集を行うようになってきているという。

 新型コロナウイルスの流行もその要因の一つと言える。特に21年に入社した新社会人は新型コロナによる仕事への影響を懸念しているため、転職意欲の有無にかかわらず入社直後からサイトへ登録する人が多い。

 また、転職活動を行う目的は収入の増加よりもやりたいことを仕事にするという部分を重要視している人が多くなっているという。

 大手外資系保険会社からエステ業界へ転職した20代の女性は「前職は業界トップの成績を持つ会社だったため、毎日営業のノルマを課されて常にプレッシャーを感じていた。教育体制が整っておらず、若手社員にとってはかなりキツイ環境だった。それでも、我慢をする必要はないと考えていたので、自分がやりたいことや将来どうなりたいかを考え、異業種の美容の道に進んだ。給料は前よりも下がったが、やりがいのある仕事だと感じている。後悔はしていない」と明かす。

 若者の間では、収入面の満足度よりも、達成感ややりがいを感じられる仕事が求められているようだ。