“健康不安説”が再浮上した。安倍晋三首相(60)は21日、小渕優子(40)、松島みどり(58)両氏の閣僚辞任による逆風を踏まえ、経済再生を最優先に政策の遂行に全力を挙げる方針を示した。

 しかし、景気の基調を議論する月例経済報告関係閣僚会議に出席した安倍首相は、後任人事の疲れなどがドッと出たようで、やつれた表情を見せた。
「政府は10月の月例経済報告で景気の基調判断を“一部に弱さもみられる”から、“このところ弱さがみられる”に引き下げた。下方修正は2か月連続です。4月の消費税率引き上げ後に、個人消費が低迷したからです。安倍首相の消費税の再引き上げ判断にも影響を及ぼすでしょう」(政府関係者)

 今月19日、安倍首相は英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)の「消費税率を10%に引き上げるか」という取材に対して「日本経済に大きな打撃を与えるようなら意味がない」と語り、実施予定の延期を示唆した。

 税率引き上げについて安倍首相は「日本はデフレを脱却する機会を手にしているのだから、それを失ってはならない」と説明。経済が悪化して消費税を引き上げると、税収が伸びなくなると見ているからだ。

「維新の党は、来年10月の消費税率の引き上げを延期する法案を今国会に提出します。ほかの野党にも呼びかけて増税をいつまで凍結するかを党内で検討中です。しかし、安倍首相が“一丁目一番地”の消費税増税を先延ばしすれば、政権の先行きは不透明でしょうね」と野党関係者は指摘した。野党側は悩める安倍首相に対し、2人の女性閣僚の任命責任を問いただすほか、“健康不安説”についても追及する構えだ。

「7年前の第1次安倍内閣で安倍首相は難病に指定される潰瘍性大腸炎を患い、わずか1年で辞任した。現在の安倍首相は特効薬の“アサコール”を服用している。野党は安倍首相のトイレに行く回数などを始め、“首相動静”を細かくチェックして反撃材料に使いたい考えです」(永田町関係者)

 安倍首相は厳しい政権運営を強いられそうだ。