コロナ禍で収入が減り、生理用品を買えない“生理の貧困”は、もはや女性だけの問題ではない。自治体が生理用品を無償提供するなど、社会問題となっている。

 そうした流れの中で、日本でもフェムテック市場が拡大しており、その代表が新規参入が相次ぐ吸水ショーツ。使い捨てのナプキンとは異なり、洗濯して繰り返し使用できるとあって、財布にも環境にもやさしいと普及しつつある。

「フェムテックとは、女性(Female)と技術(Technology)を掛け合わせた造語。女性が抱える健康問題をテクノロジーで解決するモノやサービスのことで、近年、世界的に急成長しています。GUが3月に発売した吸水ショーツは、一時的に品薄になるほどの人気でした」(アナリスト)

 4月にAmazonサニタリーショーツカテゴリーの売れ筋ランキングで1か月間連続1位を獲得した「Be‐A(ベア)」の山本未奈子代表取締役CEOは「クラウドファンディングでの総支援者9000人以上、総支援額1億240万円を達成し、累計販売数も10か月で5万枚を突破しました」という。

 女性が生理用品を購入するのに使う金額は年間6500~7500円程度という。同社の商品は100回洗濯しても吸水力が衰えないことを公的検査機関で試験済みで、洗って繰り返し使えることから経済的にも好ましいと言えよう。

「環境面では1人当たり生涯に使用するナプキンは約1万2000枚と言われていて、ナプキンはプラスチック製品であり、海洋プラスチックごみの第5位も生理用品です。世界中の女性が行動に移せば大きな波となり、次世代に向けた環境保護にもつながると思います」(同)

 生理用品の概念も変化していて、写真家・映画監督の蜷川実花氏が手掛けるブランドとコラボレーションした業界初の生理用ナプキンが、大王製紙から4月に数量限定で発売された。写真をベースにした華やかなフラワーモチーフのグラフィックを使用し、生理を取り巻く環境を少しでも明るくしたいという思いが込められている。