小保方氏への処分甘すぎる!早大の超法規的措置に異論噴出

2014年10月09日 07時00分

博士号取り消しを発表した鎌田総長(中)ら

 日本人3人のノーベル物理学賞受賞に沸く中、新型万能細胞・STAP細胞の論文で「日本人女性初のノーベル賞」も期待された理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(31)が、科学界追放の危機にひんしている。一部で不正が認定された2011年の博士論文について、早稲田大が7日、1年間の猶予付きで博士号の取り消しを発表した。即取り消しを免れ首の皮一枚つながった格好だが、早大の“大甘処分”には異論も噴出。小保方氏は論文修正に自信を見せているが、“重大欠陥”も指摘されている――。

 今回問題となっているのは、後のSTAP細胞論文の叩き台となる早稲田大大学院在籍時に執筆した博士論文だ。骨髄から採取した細胞がさまざまな細胞に変化できることを示したもので、これにより小保方氏は同大学院で博士号を受けた。

 STAP論文では2か所の不正が認定され、博士論文でも多数の疑義が浮上。一例を挙げると、冒頭部分26ページのうち20ページが米国立衛生研究所(NIH)ホームページからの丸パクリという、ずさんさだった。

 だが、7月に公表された早大調査委員会の報告書は、少なくとも26か所の問題点があり、うち6か所は故意による不正と認定しながらも「審査過程にも重大な不備、欠陥があった」として、博士号の取り消しには該当しないと判断。国内外の科学者や早大OBから「こんな論文で博士号が取得できるなんて、ありえない」「早大ブランドが地に落ちる」など批判が殺到した。

 結果、この日の会見で早大の鎌田薫総長は、一転して小保方氏の博士号取り消しを猶予付きで決めたことを発表した。その猶予条件をめぐり再び異論が噴出。博士号剥奪を免れるには、1年以内に修正論文を出して認められ、研究倫理などの再教育を受ける必要があるが、これは大学規則にもない超法規的措置。しかも再教育は「担当教官が付いてケアをする。マンツーマンの場合も、集合の授業もある」(橋本周司副総長)という厚遇ぶりだ。

 また、小保方氏は学生時代に同大から奨学金を受け取っているが「ありもしない研究をデッチ上げたわけではない」(鎌田総長)として返還は迫られない見込みで、報道陣からは「甘すぎるのでは?」との声も上がった。

 東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は「猶予期間の意味が分からない。本来なら即取り消しだ」と前置きした上で次のように述べる。

「小保方さん以外にも早大ではコピペなどの不正が横行していたと聞いている。真の問題はそれが許される早大の風土、構造的な問題にある。小保方さんはスケープゴートにされた部分もある」

 当の小保方氏は代理人の三木秀夫弁護士を通じて「この度の総長のご判断に従わせていただきます」とコメント。反発しなかったのは、時間的な猶予をもらえ、論文再提出に絶対の自信を持っているからだという。

 ところが、これまで語られなかった“新たな重大欠陥”が浮上した。問題の博士論文を実際に見た人物が苦笑いしながらこう解説する。

「コピペ以外にも問題だらけであきれ果てた。誤字脱字に英語のスペルも間違いだらけ。何のことを言っているのか、意味を読み取ることが困難な箇所もあった。それほど彼女の論文はひどいものだった」

 記述力そのものが欠如していたと言わんばかりだ。事実、調査委員会はそうした誤字脱字なども指摘するつもりでいたが、あまりに多すぎるため「報告書では誤字脱字やスペル間違いまでは指摘しない」(同)とサジを投げたというから、どれだけヒドいかは推して知るべし。修正論文では、その点も厳しく審査される可能性がある。

 避けては通れない新疑惑もある。小保方氏は問題の論文について「間違って初期段階の草稿を出してしまった」と釈明。その後「実は本物はこれです!」とばかりに、完成版の論文データを、今年6月24日に調査委員会宛てにメールで提出した。

 この完成版が11年2月の博士論文審査の直前に作成されたものなら何ら問題はないが、ファイルの最終更新日は調査委員会に提出した6月24日だった。

 業界関係者は「本人はメールを送る際のミスで更新してしまったというが、疑わしい。学生時代に作ったものではなく、一連の疑惑が浮上し慌てて書き足したのなら立派な不正だ。小保方氏のパソコンを押収して過去の更新履歴などを調べれば分かることだが…」と話す。

 小保方氏への逆風が、台風のように“発達”して、より大型になるのは間違いなさそうだ。