厚生労働省は17日、国内でデング熱に感染した患者が東京都や埼玉県で新たに5人確認され、国内感染が17都道府県で計131人になったと発表した。とどまるところを知らないデング熱の拡大。対抗する術はないのか。

 デング熱がはやったことで、不思議な現象が起きている。飲料メーカー社員は「最近、グアバジュースの売れ行きがいいらしい」と話す。

 東南アジアに詳しい男性は「インドネシアやマレーシアでは、デング熱にかかった人にはとにかくグアバジュースを飲ませるんだ。減少した血小板を増やす効果があると言われてる」と語る。

 ネット検索すると「デング熱にはグアバジュースやナツメヤシが良い」などと書かれた記述が複数ある。その情報を得た人たちがグアバジュースを買い込んでいるようだ。

 本当に効果があるのか。デング熱に詳しい世田谷井上病院の井上毅一理事長は「グアバジュースは生で飲まないとダメです」と語る。

 デング熱にかかると、血液中の成分が“破壊”されて、血小板の値が下がったりする。

「グアバには血小板を増やす力はないが、ビタミンCは豊富に含まれている。ビタミンCは薄くなった血液には良い効果がある。東南アジアでは生のグアバをミキサーでジュースにするのでしょう。パックのジュースではダメ。日本で手に入れやすいグレープフルーツなど、新鮮な野菜を食べるのは良いですね」と井上氏。

 デング熱には特効薬がない。上がったり下がったりする熱や頭痛に苦しみながら、点滴などで自然回復を待つしかない。致死率は0・03%程度と低い。

 デング熱にかからないためには、当然ながら蚊に刺されないこと。「糖尿病の人は不思議と蚊に刺されやすい。思春期の女の子も肌がやわらかいから刺されやすい」(前同)。ちなみに、O型の人が刺されやすいという説は「都市伝説ですね」。長袖シャツを着て、蚊の出そうなところを避けることしかできない。