朝日廃刊運動のエグすぎるシナリオ

2014年09月18日 11時00分

朝日は“攻撃”に耐えられるか

 福島原発事故の吉田調書報道で記事取り消しと謝罪をしたばかりの朝日新聞に対し、今も怒りと不満が渦巻いている。任天堂社長への偽インタビュー記事も発覚し、慰安婦報道の一部記事取り消しと謝罪や池上彰氏のコラム掲載拒否騒動もあって信頼はガタ落ち。かねて朝日批判をしていた次世代の党、中山成彬衆院議員(71)は本紙に「朝日を廃刊に追い込む」と宣言。保守系団体の幹部も「集団訴訟を考えています」と明かした。

 16日に都内ホテルで次世代の党結党大会が開かれた。1000人もの参加者が詰め掛ける中、石原慎太郎最高顧問(81)はあいさつで「8月15日に靖国神社に行ったら、今まで見たことないほど人が多かった。我々同じ日本人は、同じ危機感を持っているのだなと思いました」と靖国トーク。話の内容から分かるように、当日は保守系の人たちがいっぱい集まっていた。

 保守陣営にとって朝日は目の敵と言ってもいい存在。慰安婦報道をリードし、吉田調書報道では「原発作業員のほとんどが“逃げ出した”」と書くなど、日本の評価を不当におとしめているという気持ちが保守陣営にはあったのだ。

 山田宏幹事長(56)が「朝日新聞が謝りました、いや、あれは謝って(誤って)いないか」とちゃかせば、平沼赳夫党首(75)も「朝日の誤報は国会でも筋を通さないといけない」と追及をほのめかした。会場では所属国会議員に対して「朝日の国会招致をよろしくお願いします」と声をかける人が見受けられた。

 過去にも朝日批判を繰り返してきた中山氏は「朝日の対応は全然足りない。社長が辞めるのは当然でしょう。国民運動を起こして、朝日を廃刊に追い込むことを考えています」と本紙に宣言。一体、いかなる方法で廃刊に追い込むというのか。

 国民運動というとデモが思い浮かぶが、これまでにも反朝日デモはあった。しかし、効果があったとは言い切れない。

 中山氏と親交のある保守系団体の幹部がシナリオを明かす。「我々は集団訴訟を考えています。朝日が吉田調書問題で謝罪してから1週間もたっていないのに、1日1000人以上が、我々のもとに集まってくれています。1万人を超えるのもすぐでしょう」

 集団訴訟では朝日にだまされたということで「金返せ!」と主張することになるという。

「1人1円を求めます。なぜ1円かというと、印紙代を安く抑えるため。我々は1万人訴訟どころか、100万人訴訟を目指しているところです」(保守系団体幹部)

 なるほど、請求額はともかくとして一定の効果はありそうだ。もっとも、国民運動はこれだけでは終わらない。よりエグイ展開を用意している。同幹部は「政党やスポンサーに対して、『これでも朝日と付き合うのですか? どうなんですか?』と迫っていきます。これは効果絶大ですよ」と語る。

 これでは朝日もたまったものではないだろう。政党、つまり取材先から取材拒否を食らったり、スポンサー企業が広告を出さなくなったりしたら、まさに死活問題。直接、朝日に抗議をしても効き目がないなら、周辺から“兵糧攻め”にしようというのだ。

 17日の紙面で、「吉田調書」報道について東京電力などに改めておわびした朝日。最近の迷走ぶりに購読の解約が増えているともいう。その上に保守勢力の“攻撃”を受けて、耐えることができるのか。