中国・広東省でヘビ汁を作るためにタイコブラを調理していた料理人の男性が、頭を落としてから20分以上たったタイコブラにかみつかれ、死亡した。現地の報道によると、切り落としたコブラの頭部を捨てたゴミ箱に料理人が手を入れてしまったという。
中国の週刊誌「看中国」が“最期の復讐”と報じた通り、まるで寓話のような話。そんなことが現実に起こり得るのか。群馬県太田市のジャパンスネークセンターに聞くと「ナマズなんかも、骨と頭だけにして水に入れても口をパクパク動かしますし、アオダイショウも切断して皮をはいでもまだ動く。下等なほど、脳に血液が回らなくてもしばらくは反射するのです」と説明する。恐るべき生命力だ。
「ただ、生け作りの魚と一緒で、死んではいるため、頭が動いてかみついてきたわけじゃなく、手が触れた時に反射したのだと考えられます。同じように沖縄で切断されたハブの頭を回収しようと手を出したときに人がかまれた事例はあります」と同センター。
気になるのは、かまれると死んでしてしまう猛毒のコブラを食べて、お客は大丈夫なのかという点だ。
「通常、天敵から防御するため目潰しで毒を吐き出したり獲物をかんだりする場合もあります。いずれにしても毒は肉にはないので食べても特に問題ないですね。中国では主に南部で食べられています」(同)
当時、レストランは営業中だった。居合わせた客は「厨房から悲鳴がした」と話しているといい、死亡した男性がどれほど驚いたかは想像にかたくない。