韓国カジノは「反面教師」か「お手本」か

2014年08月31日 16時00分

 今秋の臨時国会で、カジノ推進法案が可決されそうだ。各地の自治体が誘致に名乗りを上げているが、手本にされているのが韓国にある「江原ランド」。多くの自治体関係者や地方議員が同地を訪れ、日本のカジノにどう生かせるかを学んでいるという。ところが、カジノに詳しい永田町関係者は「韓国カジノには、依存症の問題がある。反面教師にしようというのではないか」と指摘した。どういうことなのか?

 政府はカジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)の導入に向け、内閣官房に設置した検討チームを中心に準備作業を加速させている。2020年の東京五輪・パラリンピックをにらみ、海外から観光客を呼び込む「成長戦略の目玉」(安倍晋三首相)にしたい考えだ。しかし、治安の悪化やギャンブル依存症の増加を招く恐れもあり、対策強化が前提となる。 江原ランドは韓国の江原道旌善郡にある。もともとは炭鉱の町だったが、衰退したこともあり、カジノを含めた総合リゾート施設で観光地化を図った。韓国のカジノは済州島に集中しているが、これらはほとんど外国人向け。一方、江原ランドは韓国人も利用できる。この点に日本の関係者も注目している。

 永田町関係者は「日本で考えているカジノは、外国人も日本人も利用できるものですが、地方には日本人客を意識したこぢじんまりとした総合カジノリゾート施設を作ろうという動きもあります。地方型カジノリゾートをやろうとしている自治体にとっては、江原ランドは参考になるのでしょう」と話す。

 これまで日本でカジノ誘致が取り沙汰されたのは東京、大阪といった大都市以外にも、北海道、静岡、石川、長崎などの地方都市もあった。江原ランドが炭鉱の町から脱却したように、カジノを観光の起爆剤にしたいわけだ。韓国の地元メディアは「日本が江原ランドを手本とみなしている」と胸を張っている。

 しかし、「韓国ではカジノ依存症が問題になったこともあります。江原ランドでは車で来た客が、その場で車を売り払えるようにと周辺に業者がいると聞いたこともあります。日本で依存症対策が関心の的ですが、韓国カジノを反面教師にするのでしょう。視察するならシンガポールがいい」と前出の永田町関係者は指摘する。

 その場で車を売ってまで金策に走るとは、まさに依存症だ。依存症対策には、さまざまなアイデアがある。数千円の入場料を取る、あるいは、家族から「依存症だからあいつを入場させるな」と要求があれば入場を拒否する、売り上げの一部を依存症対策に使うことなどなど。

 日本国内のカジノ反対派は依存症と治安悪化を問題視している。野党関係者は「反対している議員もいますが、採決となれば可決するでしょう」と前向きに話す。生活を壊さない程度に楽しむのがいい。