宝くじ高額当せんの町に運気呼ぶ「金の鶏伝説」

2014年08月31日 08時00分

宇部琴芝チャンスセンター

 9月2日の「宝くじの日」を控え、宝くじの“億当せん”が続出している山口県宇部市に、一獲千金を目指す者たちが熱い視線を注いでいる。瀬戸内海に面した人口17万人ほどのこの小さな町で、2009年から6年連続でジャンボ宝くじなどの高額当せんが相次ぎ、総額26億円以上をかっさらっている。いったい、なにゆえこんなに当たるのか、その謎を追ってみたら――。

 直近では5月30日に抽せんが行われた「ロト7」。スーパーに隣接する「ウェスタまるき西岐波店 宝くじ売り場」で、6億3000万円超えの高額当せんが出て、小さな町は大騒ぎになった。だがこの6年間で宇部市が的中させた賞金は、そんなものではなかったのだ。

 6年連続高額当せんの発端は09年の「年末ジャンボ」。1等・前後賞合わせて3億円が、なんと2組も当せんした。続けて10年、11年の年末ジャンボでも、1等・前後賞合わせて3億円の当せん者が出て、続く12年の「ドリームジャンボ」でも1等・前後賞合わせて1億1000万円の当たりが出た。

 この4年連続の高額当せんは「宇部琴芝チャンスセンター」というすべて同じ売り場。“奇跡の売り場”と大きな話題になり、噂を聞きつけた人々が県外からも買いに来るほどに…。さらに、13年の年末ジャンボでも「宇部メルクスチャンスセンター」から1等・前後賞合わせて7億円が当せんした。つまり、6年間でおよそ26億円以上。これだけ高額当せんが出る秘密は何か?

 宇部市の広報・シティセールス係長の上原貴文氏は「確かに問い合わせは増えていますが、正直なところ我々にも謎なんですよ」。でも、なんの理由もなくて、6年で26億円も吸い寄せるのか?

 風水では金運は西に流れるとされている。その点では、本州最西端に位置する山口県で高額当せんが出るのは理にかなっているが、それにしても当たりすぎだ。実は宇部市には、運気を呼び寄せる“金の鶏伝説”が伝えられているという。

「宇部市の北にそびえる霜降山付近に、金の鶏が埋蔵されているという伝説があるんです。戦国時代に宇部の領主であった厚東氏が霜降城で宝比べをしたところ負けてしまい、後の落城の際に隠したと書物にあり、10年前に一大ブームが巻き起こり、霜降山などで宝探しが盛んに行われました」(同)

 そもそも明治期以降に石炭産業の振興で栄えた宇部市は、言わば資源も運気も“持ってる町”というわけか。その後、日本のエネルギー需要の転換にいち早く対応し、近代的な工業都市へと変貌を遂げた。現在では日本5大化学メーカーの一つの宇部興産を擁する。高額当せん効果か、日本一長い私道である同社専用道路や、石灰石鉱山などを巡る「大人の社会派ツアー」は本年度分すべて完売という人気とか。

 4年連続で高額当せんを出した宇部琴芝チャンスセンターから車で2分の中津瀬神社は、こま犬の代わりにライオンの石像が立つ。御利益が期待できそうな珍しい造りだ。宝くじ当せん祈願の神社として知られ、億万長者を目指す人々が全国から訪れている。