実験開始の空港の顔認証システム VIP判別は既に稼動済み

2014年08月21日 11時00分

 羽田と成田の両空港の顔認証システムの実証実験が今月から行われている。ゲートに設置されたカメラで顔を識別して、パスポートの顔写真と自動的に照合するものだ。


 日本人を対象として、出入国審査の簡易化を図る。その分、2020年の東京五輪で来日が増加する外国人の審査を手厚くしたい考えだ。主導する法務省は、実験でシステムの精度を高めて、実用化を目指す。


 実は、空港での顔認証システムはすでに一部で導入されていた。ある航空会社の関係者は「VIPの客は顔が登録されている。空港に設置されたカメラで自動的に顔を照合して、客が来たことが分かる仕組みになっている」と明かす。


 VIPとは、大手企業の役員クラス以上を指す。企業が出張などで航空会社と法人契約している場合、その役員を“超お得意様”として扱うわけだ。


「連絡を入れずとも、VIPが空港にやってきただけで職員がすっ飛んできて、特別なラウンジにお連れする」(同)


 こんな扱いをされれば悪い気はしないだろう。同関係者によると「マスコミは海外に飛ぶ芸能人や来日した海外のスターを空港で撮影したりするけど、私たちにとって本当の“スター”は金を落とすVIPです。VIP用顔認証にデータが登録されていなければ、どんな大物芸能人とてまだまだ」だという。


 それでも空港の警備システムに“穴”があると指摘するのは、別のある空港関係者だ。


「日本の空港に設置されている金属探知機は、システムの性質上、漏れがあります」


 もちろん、その欠点を詳しく明かすことはできない。だが、その“性質”を逆手にとれば、どんな金属もスルリとすり抜けてしまうという。東京五輪に向けて、いまいちど防犯システムの見直しも必要かもしれない。