脱・居酒屋の逆を行く〝せんべろ〟展開 「天狗」が仕掛ける生き残り戦略 

2021年04月14日 11時30分

テング酒場〝1号店〟池袋西口店も「神田屋」にリニューアル

 脱・居酒屋の流れが加速する中、天狗は逆を攻める!? 居酒屋「天狗」を運営するテンアライド株式会社(東京都中央区)が“せんべろ”の出店を進めている。外食業界は新型コロナウイルスで打撃を受けたが、特に大きなダメージを負ったのが繁華街立地に大箱として出店していた居酒屋チェーンだ。東京商工リサーチは先月、大手居酒屋チェーンの店舗数が2020年に12・5%も減少したことを報じたばかり。

 本来なら歓送迎会で書き入れ時のこの季節でも客足が回復せず、ワタミは居酒屋120店を「焼肉の和民」に転換、「から揚げの天才」も70店舗超まで拡大。また鳥貴族ホールディングスは、8月に新業態「トリキバーガー」の都内出店を予定するなど業態転換が相次いでいる。そんな中、小型店で“せんべろ”に活路を見いだしているのがテンアライドだ。

「コロナ禍でも立ち飲みでサクッと飲んでいきたいお客さまのニーズはある。そこでメイン業態だった『テング酒場』から『大衆スタンド神田屋』への転換を進めていますし、居抜きで新店もオープンさせています」と話すのは、同社広報担当の川上美優氏。

 15~35坪と狭い店舗で、平均客単価が約1500円ながらも回転率が高いことで収益を上げているという。先月には1号店だったテング酒場池袋西口店も「大衆スタンド神田屋」にリニューアル。「『天狗』の名前がなくなるのは寂しいけど、神田屋のロゴには『天狗』のうちわがデザインされています」(川上氏)

 流通ウォッチャーの渡辺広明氏は「コロナで我慢の経営を強いられているが、居酒屋は中年男性の憩いの場。今回のような少人数飲みなど業態開発で生き残ってほしい」と分析した。

 古来より天狗のうちわに強力な神通力があると言われているが、果たして…。