タイで多数の乳幼児が発見され、日本人の資産家男性(24)が代理出産で産ませたとみられる騒動で、男性は100~1000人の子供をもうける壮大な野望があったという。出産・養育費用はいったい、いくらかかるのか――。

 タイ当局の調べでは、マンションで見つかった9人以外に6人の子供が既に生まれ、1人は妊娠中だった。また、タイ以外でもインドで2人の子供を既に代理出産で産んでいたという。日に日に子供の数は膨れ上がっており、一部メディアによれば、男性は「毎年10~15人の子供が欲しい。100~1000人の子供をもうけたい」「世界のためにたくさん子供を残す」などと話していたという。

 タイでの代理出産で、男性は代理母に1人30万~40万バーツ(約94万~約129万円)の謝礼を支払っている。そのほかにクリニック側へ診察・処置費用、仲介業者への手数料などが発生する。日本人向けに代理出産を仲介する業者のホームページによれば、欧米に比べ、タイは安価とはいえ、それでも相場は約500万円前後という。

 出産費用だけでない。男性は子供1人ずつにベビーシッターを充て、月20万バーツ(約64万円)を支払っていた。成長していけば、学校へ通わせなくてはならなくなる。男性はカンボジアにも拠点を構え、既に4人の子供を移動させたとみられる。

 東南アジア事情に詳しい関係者は「物価が安いといってもタイで日本の5分の1、カンボジアで10分の1ぐらい。日本並みの教育を受けさせるならインターナショナルスクールなどに通わせ、年100万円はかかる」と話す。

 少なくとも15人の子供をもうけていた男性は、代理出産費用だけでも既に1億円近くがかかっていることになる。男性が野望の通り、100人もの子供をもうけるならば出産費用で5億円、成人するまでの養育費用を少なくとも1人1000万円と見積もれば、10億円にもなる。1000人の子供となればその10倍の額で、100億円を超える。億万長者とみられる男性だが、その財産の大半を子供につぎ込む計算になる。

 なお、日本人男性が18日にもタイを訪問して事情を説明するとの情報について、タイ警察幹部は「そうなるよう希望している」と述べた。