金正恩氏が自分の映ったテレビ番組に「つまらない」発言の真意

2014年08月16日 07時30分

 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は13日までに、金正恩第1書記が自らの公式活動を紹介したテレビ番組について「つまらない」との感想を漏らしたと報じた。

 北朝鮮メディアで正恩氏の動静の紹介は重要な位置を占めている。同氏のこうした率直な感想が伝えられるのは珍しい。

 記事は「子供たちの笑い声」と題して、正恩氏が5月に平壌市内の病院に入院する孤児たちと面会した様子を紹介。12日付の同紙に掲載された。

 何をしていたのかと問う正恩氏に対し、5歳児の児童は「テレビで元帥様(正恩氏)を見ていました」と説明。正恩氏は「つまらなかったよな」と応じた。児童は「面白かったです」と答えたという。

 最高指導者の偶像化教育を受ける北朝鮮の子供が「面白かった」といった回答をするのは当然なのだが、正恩氏の反応は異例。「このことが国内に伝えられることで、北朝鮮の人たちにとっては気さくで親しみやすい指導者というイメージに写る。その狙いはあったでしょう。もともと父親である金正日総書記はカリスマ性を保持するために市民とのスキンシップを図るということは少なかったが、対照的に正恩氏はより市民と近いところにいることをたびたびアピールしている。今回はそのことを裏付ける出来事でしょう」とは北朝鮮事情に詳しい関係者。

 韓国のメディアも「つまらない」発言を伝えており、幹部には厳格だが、大衆には温かいという姿勢を示したいなどと分析し、「祖父の金日成主席の統治スタイルに近い」ともしている。