内部崩壊した振り込め詐欺グループ 主犯格の兄弟逮捕

2014年08月14日 11時00分

 警視庁捜査2課は12日、親族を装った電話で女性から現金をだまし取ろうとしたとして、詐欺未遂の疑いで埼玉県越谷市の会社員、木川達哉(25)と同居する弟の無職聖矢(20)、目黒区の男(23)の3容疑者を逮捕した。

 木川容疑者らは振り込め詐欺グループの仲間として、6月下旬、小平市の女性(74=当時)宅に数回にわたって長男を装って電話を掛け、現金を詐取しようとした疑い。

 うその電話内容は以下のようなもの。

「風邪をひいちゃって病院に行ったら、待合室にカバンを忘れた。中には仕事の契約に使う小切手が入ってて、それがないと会社が潰れちゃう。上司が150万円出してくれたから、俺は100万円だけ用意しなきゃならない。用意できない?」

 振り込め詐欺にありがちな話だったからか、うそと見破った女性が金をだまし取られることはなかった。木川兄弟は「まったく関係ない」と容疑を否認。男は「自分が電話したことに間違いない」と認めているという。

 捜査関係者によると、グループには他にもメンバーがいたが、主犯格は木川兄弟とみられる。

 振り込め詐欺では首謀者、電話をかける「掛け子」、現金を受け取る「受け子」など役割が細分化されている。お互いが接触しないよう役割を細分化しておけば、グループの誰かが逮捕されても口を割りようがない。そのため、振り込め詐欺で主犯格が逮捕されるのは珍しいが、それには理由があった。

 目黒区の男は、木川兄弟らが詐欺集団だと思わずに仲間に引き込まれたようだ。アジトから逃げようとしたが、木川兄弟に連れ戻される。手錠をされて電気コードでたんすにつながれた状態で、電話を掛けさせられていた。それでも隙を見てなんとか脱出。交番に駆け込んで保護を求めた。

 この男からの情報で、警視庁は主犯格の“首”をとることができた。新入りの心をしっかりつかめなかったことで、詐欺集団が内部崩壊に至ったわけだ。

関連タグ: