被害拡大!路上ミュージシャン狙う詐欺男の卑劣な手口

2014年08月16日 08時00分

「路上ミュージシャンを食い物にする詐欺師」を報じた7月4日付本紙

 ついに警察沙汰に発展――。本紙が7月に既報した路上ミュージシャンをだまし続けていた疑惑が持たれている男が、一般女性Aさんのケータイを盗み、Aさんが被害届を出していたことが分かった。また、男が人気歌手MISIA(36)の友達をかたったり、大手レコード会社Xの社員Bさんの名刺を悪用したりする詐称疑惑も発覚。同時期に被害に遭ったAさんとBさんが本紙に怒りの告発をし、卑劣な手口を暴露した。警察も重大な関心を示している。

 シンガー・ソングライターのアンジェラ・アキ(36)のバックバンドメンバーを自称する中年男の詐欺報道は、本紙が報じて以降、フジテレビ系「とくダネ!」などで紹介され、ネット上にも広がっている。小太りでモヒカンスタイルの男の写真はツイッターなどで拡散。その動向が注目を集めていた中、今度は窃盗被害が発生した。

 ネット上の写真を見て「私のケータイを盗んだのは、この男です」とAさんは本紙に怒りの告発をした。

 7月15日午前2時、東京・中野区野方のバーでAさんが飲んでいたところ、男がやって来た。身長は175センチほどで小太り、モヒカンヘア。くまモンのTシャツを着ていた。

「俺は役者なんだ。さっきまで高円寺で役者仲間と飲んできてさ。中野英雄もいたけど、すぐ帰ったな。会計は俺が払ったよ」と自慢げに語る。

 さらに「MISIAは友達」と豪語したり、「俺は馬に乗れるし、殺陣ができるから、年末にある時代劇の特番に出る。時代劇を始めるきっかけは藤田まことなんだ」と胸を張ったりし、やたらギョーカイ風を吹かせてきた。

「大阪に住んでいるふうな感じで話していて、阿佐ヶ谷のホテルに泊まっていると言っていました」(Aさん)

 男は「泊まっているホテルにケータイを置いてきた。俺のマネジャーに次の宿泊先を聞きたいから、キミのケータイを貸してくれないか」と頼んできた。男は借りたAさんのケータイで何やら話し込んでいたが、Aさんが目を離した隙に、そのケータイを持ったまま立ち去ってしまった。

 一方で大手レコード会社X勤務のBさんも、男がAさんとバーで知り合う直前、つまり7月14日夜に別の野方のバーで出会ったという。

 男はBさんに「福岡の吉本芸人のコンバット満という者で『ドォーモ』って番組に出ている」と自己紹介。コンバット満(44)は福岡を拠点にする実在のピン芸人。「ドォーモ」という番組も九州ローカルで絶大な人気を博す深夜番組だ。男はコンバット満とは似ても似つかないルックスだが、Bさんはそのうそに気づかなかった。Bさんはとりあえず自身の名刺を渡すことにした。

 後日、男は大胆なのか横着者なのか、奪ったAさんのケータイを使い、Bさんに「仕事があったらください!」と電話してきたという。

 また、男はあるミュージシャンが開いた東京・吉祥寺の個展に出没。そのミュージシャンに「デビューしたければ、Xの社長に話をするよ」と声をかけ、Bさんの名刺を見せてきたという。

 言動から不審に思ったミュージシャンはX社に電話。虚偽のデビュー話だったことが明らかになった。

 ケータイがなくなり途方に暮れていたAさんは、ケータイ会社に発信履歴を照会。男がBさんにかけていたことが判明する。Aさんはケータイ会社から受け取った代替機で7月31日、Bさんに電話。2人は初めて顔を合わせた。

 盗難と詐欺未遂――。Aさんが同様の被害に遭った人がいないか、ネットで検索すると、本紙の記事を見つけ、確信を深めた。翌8月1日、野方警察署に窃盗で被害届を出した。Aさんは「ケータイを返してほしい。そして二度と会いたくない」と突き放す。Bさんは「会社名を使われるのは遺憾」と語気を強める。

 音楽界に突如現れたペテン師の蛮行は、断じて許されない。