脱原発を訴える細川護熙氏(76)と小泉純一郎氏(72)の元首相タッグが7月31日、東京ビッグサイトで開催された太陽光エネルギーに関連する展示会「PVジャパン」を視察した。すっかり脱原発のシンボルとなったはずの2人が、“身内”から煙たがられる場面も。

 太陽光パネルや水力、地熱発電など自然再生エネルギーの展示を前にテンションの高い小泉氏は「もう原発はいらないね」を連呼。風力発電機のパーツ名である「ナセル」の説明を受けている最中には「なせばなる、なさねばならぬ何ごとも」とダジャレを披露するなどご機嫌だった。

 すると視察後は珍しく報道陣の取材に応じ「(川内原発の再稼働は)感覚がおかしいね。原子力規制委員長が安全とは申し上げられないと言っているのに、政府は安全だから進めていくと矛盾している」と安倍政権の再稼働姿勢を批判。返す刀で「原発は金食い虫。原発をあきらめるしかない。いずれなる。必ず。時間の問題。政治が原発を導入したんだから、政治がゼロにしないといけない」とワンフレーズ絶叫の小泉節を炸裂させた。

 この日は津波対策を怠ったために原発事故を引き起こしたとして、東電の勝俣恒久元会長(74)ら幹部3人に検察審査会が起訴相当との議決が公表され、脱原発勢が気勢を上げたタイミングで、小泉氏も“脱原発再宣言”した格好だ。ただ当の自然再生エネルギー業界からは、必ずしも歓迎されているわけではない。

「将来的に自然エネルギーにスライドするのを望んでいるが、我々は決して“脱原発”とは言わない。自然再生エネルギーで発電しても、送電・配電するのは結局、電力会社。あからさまに敵対している小泉さんらと手を組めば、権限を握る電力会社やお上からどんな嫌がらせを受けるか分からない」(再生エネルギー事業者関係者)

 この日も小泉氏らの展示ブース訪問を嫌がる事業者もあった。

 そんな声をよそに、小泉氏らは9月に脱原発のロックフェスタ「NO NUKES」への参加が内定。先日、中咽頭がんで休養発表した坂本龍一氏(62)の呼びかけに応じての登板になるが、“脱原発活動家”としての先鋭化したイメージがますます膨らむことになりそうだ。