荒れる地方議員・議会がまたお粗末な事態に陥っている。

 愛知・新城市議会で発覚した前代未聞の“穴コンドーム発言”で、処罰の矛先が発言者だけでなく、問題をネット上に取り上げた議員に向けられているのだ。

「穴の開いたコンドームを配ったりしてはどうか」との非常識発言が飛び出たのは、6月18日の同市議会一般質問。長田共永氏(49=無所属)が少子化対策で「市民がニヤッとしていただけるようなPRの方法はいくらでもある」と婚姻届を提出した夫婦に穴コンドームの配布を提案していた。

 この不適切発言は、共産党の浅尾洋平市議(37)が今月14日にブログで取り上げたことで発覚。

 都議会セクハラ問題や“号泣県議”野々村竜太郎前兵庫県議員(47)らと並んで、全国ニュースになった。

 情けないのは議会側の対応で、16日に議長は長田氏を口頭注意し、発言を議事録から削除。長田氏は委員会の委員長を辞任しただけで、議員辞職は否定し、居座り続ける構えだ。すると議会では長田氏の追及もそこそこにブログで問題提起した浅尾氏も非ありとして、議会の問題をネットツールで安易に発信しないように規制をかけようとしているのだ。

「新城市議会は3つの点で恥ずかしい。まず穴コンドームの配布発言は議員以前の問題。次に発言があった直後に議長や他の議員が問題視しなかったのも同罪。1か月遅れでも共産党市議が取り上げたのはせめてもの救いだったのに、それを批判し、ブログやツイッターの制限をかけるのは問題のすり替えでしかない」(永田町関係者)

 思わぬ流れ弾を浴びた浅尾氏は24日、ツイッターで「新たな問題は公人である僕たち議員のネット上の活動を規制する方向へと新城市議会が動いたということ」「議会の横暴を感じます。ここに民意はありません」と怒りを表明した。ネット規制に触れたことで、特にネット上では市議会に非難ごうごうとなっている。