「冷やし中華始めました」ののれんや貼り紙が、中華料理店や食堂で目立ち始めた。その発祥には2つの説がある。

 一つは仙台の北京料理店「龍亭」が1937年に仙台祭りの目玉商品として開発したというもの。

「『涼拌麺(リャンパンメン)』が元祖といわれ、卵を練り込んだ麺に、しょうゆだれ、蒸し鶏、ハム、キュウリ、チャーシュー、錦糸卵、クラゲ、エビなど豪華トッピング。これが現代に受け継がれているのは仙台っ子の間では有名な話」と仙台の飲食店関係者。

 もう一つは東京・神田神保町「揚子江菜館」。

「ここの『五色涼拌麺=五目冷やしそば』がその原型であるとの説があります。発明は33年というから、仙台よりも古く、本当の元祖冷やし中華かもしれない」(東京のグルメ誌関係者)

「あなたは冷やし中華にマヨネーズをかける?」で出身地が分かるのはご存じだろうか。関東圏では和からしと酢が普通だが、関西圏ではマヨネーズが当たり前だ。

「名古屋の『スガキヤ』が、トコロテンの酢じょうゆにマヨネーズを溶かして冷やし、それをラーメンにかけて始まったとされる。今では中部~関西では多くのコンビニで冷やし中華にマヨネーズをつけてくれます」(名古屋在住のグルメ記者)

 調味料の第3の道が「ごまだれ」だ。「北海道ではしょうゆベースではなく、ごまだれを使う店が多く、名前も冷やし中華ではなく『冷やしラーメン』。さらに北海道名物にまで上り詰めた『ラーメンサラダ』があります。ラーメンと海鮮、野菜をごまだれであえ、それをサラダとして食べるのです」(前出の東京のグルメ誌関係者)

 さらに進化して、神奈川・江の島のカフェではパンケーキを冷やし中華風にアレンジしてしまった。パンケーキの上にササミやハム、アボカドなどをのせ、ごまだれと豆乳ベースのタレをかける。

 7月7日の「冷やし中華の日」は好みのものを楽しみたい。