児童生徒の自殺者数が過去最多に コロナ禍での生活環境の変化が影響か

2021年02月17日 11時30分

文部科学省

 児童生徒の自殺者数が過去最多を更新してしまった。

 文部科学省は15日、児童生徒の自殺予防を検討する有識者会議を開催。新型コロナウイルス流行による一斉休校などがあった2020年に自殺した小中高校生は、1980年以降最多の479人(前年比140人増)だったと発表した。特に8月は前年同月の2倍を超える64人。早急に対策を提言する方針を確認した。
 厚生労働省などの統計によると、女子高校生の自殺者は138人で、前年より71人増。男子高校生は21人増の191人だった。小学生は14人で、中学生は136人。原因や動機は学業不振、進路の悩みが上位で前年と大きな差はなかった。

 しかし、その根底には、コロナ禍で生活環境が変化したことによる影響は大きいだろう。

 臨床心理士の溝渕由理氏は「日頃から、子供たちの悩み相談などを受けますが、親はコロナによって仕事がテレワークに変わったり、給料が減ったりしたことで、ストレスが夫婦喧嘩につながり、子供にもきつく当たってしまうようです。家の中でそうした状態が続くと子供は自分に自信をなくし『自分はいちゃダメなんだ』と思ってしまう」と指摘する。

 こうした中、坂本哲志一億総活躍担当相は16日の記者会見で、内閣官房に孤独や孤立問題の対策室を週内に新設する方針を明らかにした。厚生労働省や文部科学省などから10人程度の職員を集め、新型コロナウイルス感染拡大で深刻化する自殺や子供の貧困といった各省庁をまたがる問題に取り組むという。

 溝渕氏は「子供の貧困には、心の貧困もある。がんばれと励ますばかりではなく、つらい気持ちを分かってあげて、心に寄り添うことが大切。子供たちには未来があるから、守らなければいけない」と話す。
 社会全体で子供を守ることが大切だ。