韓国がW杯日本代表に言いがかりをつけ、世界に向け発信している。セウォル号沈没事故や、地下鉄衝突、ビル倒壊などの惨事が相次ぎ、一時は影を潜めていた“イチャモン癖”がまたぞろ出てきた。本田圭佑(27)らが着るユニホームに「戦犯旗の模様がついているから削除させるべきだ」と国際サッカー連盟(FIFA)会長、出場する32か国のサッカー協会長などに、要請しているという。もちろんそんな要請が通るわけもなく、代表選手も何らダメージは受けないが、いったいこの国は何を考えているのか、専門家に聞いた。

 あきれたイチャモンをつけたのは、韓国の誠信女子大学のソ・ギョンドク教授。FIFA会長と、出場する32か国のサッカー協会長、ユニホームをデザインしたアディダス社に対し2日、同教授は要請書を郵送した。内容は、日本代表のユニホームの「戦犯旗模様を削除してほしい」というもの。複数の韓国メディアが伝えている。

 ソ教授は5月28日、米紙「ニューヨーク・タイムズ」に、「日本代表チームのユニホームが戦犯旗模様だ。FIFAは黙っているのか?」という広告を出した。「戦犯旗」とは日本の旭日旗のこと。広告で、旭日旗をドイツのナチ旗と比較し“戦犯旗”と糾弾した。

 日本代表のユニホームは「円陣」をテーマにデザインされたもので、前面左胸のエンブレムに向け、放射状のラインが施されている。当然、旭日旗とは無関係だから、ソ教授の言い分はメチャクチャだ。

 東アジア事情通は「確かに、旭日旗は“軍艦旗”とも呼ばれ、近現代史において一貫して日本の“軍事の象徴”ではありました。日本陸軍が明治7年(1874年)にその軍旗(連隊旗)デザインとして採用、後に海軍でも(1889年から)軍艦旗として使われるようになりました。戦後も海上自衛隊旗として使用されています。軍事の象徴ではありますが、決して軍国主義の象徴ではありませんし、民族第一主義のハーケンクロイツのナチ旗とは由来も意味も違います」と説明する。

 そもそも、日本人がスポーツ応援の際に旭日旗を振ることに、韓国が文句を言いだしたのはごく最近のこと。ムック本「沈没国家・韓国、侵略国家・中国のヤバすぎる真実」(オークラ出版)の企画に携わった文筆家の但馬オサム氏は語る。

「旭日旗うんぬんを彼らが問題にしだしたのは、2011年1月のサッカー・アジア杯の日韓戦で、ゴールを決めた奇誠庸(キ・ソンヨン)選手による、日本人に対する侮蔑行為(猿のようなしぐさ)が国際問題に発展しかけた時から。奇選手が『日本の応援スタンドで旭日旗が振られているのを見てカッとなってやった』と言い訳したんです。それまでは中国で時々、問題になっていただけでした」

 試合時、旭日旗が振られたという事実はなかったが、韓国国内では大騒ぎになった。

「韓国が騒ぎ、世界規模での“旭日旗狩り”が始まりました。その運動の途中で、世界的に広めるため考え出されたのが、“旭日旗=アジアのカギ十字”論なのです」と但馬氏。しかし、その韓国ではヒトラーからもらった月桂樹を大切にしているというから驚きだ。

「併合時代の1936年のベルリン五輪で、日本代表として出場、マラソンで金メダルを取った朝鮮人選手に孫基禎(ソン・キジョン)という人がいます。そのとき、孫選手はヒトラーから月桂樹の苗をもらいました。孫選手の母校の養正高校の校庭に植えた月桂樹は今では大木となり、同地はソウル市立孫基禎体育公園になっています」(同)

 一部の韓国人は、日本の旭日旗を「アジアのカギ十字」「ナチの紋章と同じ物だ」と、ユダヤ人が多く住む米国やナチズムに敏感な欧州に向かって叫んでいる。

「一方で、ヒトラーの月桂樹は民族の栄誉として大切にする…どう考えても矛盾しています。ベルリン五輪時、朝鮮の東亜日報という新聞は、孫の写真のユニホームの日の丸を消した写真を掲載、民族の意地を示しました。そのせいもあって、孫基禎の名は現在、韓国人の抗日意識のシンボルとなっています。韓国人のナショナリズムとスポーツが結びついた最初の例といえるでしょう」と但馬氏は指摘している。