日本へすり寄る北朝鮮の真意

2014年05月31日 09時00分

 敵の敵は味方!? ストックホルムで行われた日朝協議の結果について29日、安倍晋三首相(59)は「北朝鮮側は拉致被害者および拉致の疑いが排除されない行方不明の方々を含め、全ての日本人の包括的全面調査を行うことを日本側に約束した」と発表した。停滞していた拉致問題の進展が得られるかが焦点となる。

 安倍首相は「特別調査委員会が設置され、調査がスタートする。全面解決へ向けて第一歩となることを期待する」と語った。だが、北朝鮮が何の見返りもなく、いきなり日本にすり寄ってくるとは考えにくい。

 当初、言われていたのは、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部ビルの競売問題だ。

 朝鮮総連ビルは何回も入札がやり直されてきた結果、高松市の不動産会社「マルナカホールディングス」が22億1000万円で落札。総連側はマルナカへの売却許可を不服として執行抗告。東京高裁がこれを棄却したことで、最高裁に特別抗告を申し立てた。

 平壌情勢に詳しい関係者は「北朝鮮側が日本との公式協議に応じてきたのは、日本側が朝鮮総連ビル問題で納得できる回答が得られる環境が整ったからだと見られたんですが…」と語る。

 菅義偉官房長官(65)は記者会見で、北朝鮮との人的往来の規制など日本の独自制裁措置を解除すると発表したが、「在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部ビルの問題は北朝鮮との合意条件に入っていない」と説明した。

 それでは、なぜ北朝鮮は大幅譲歩したのか?

「このところ、韓国が露骨に中国にすり寄っている。反日でもタッグを組んでおり、北朝鮮は蚊帳の外だ。つまり“敵の敵”となった日本に接近して、今後また規制の解除や支援を引き出そうとしてもおかしくはない。さらに日朝関係を突破口にして米国に接近したい思惑があるんです」とは事情通。

 やはり100%信用することはできないということか。