サガミオリジナルのコンドームブランドで知られる相模ゴム工業は27日、東京の店舗やインターネットのみで販売してきた「サガミオリジナル001」(税抜き1200円、以下001)の出荷を30日に停止すると発表した。

 001は同社が昨年11月に発売を開始した世界最薄0・01ミリの熱伝導性に優れた超薄型コンドームで、2005年に0・02ミリの商品を発売以来、8年かけて開発したという同社の肝いり商品。愛し合う2人の“距離”を史上最も縮めることに成功した001に一体何が起こったのか?

「発売当初から売れ行きが予測をはるかに上回って生産が追い付かず、販売店に商品を供給できなくなってしまいました。単なる消費財としてだけでなく、人の人生に関わる商品を扱う会社として、今回品薄による出荷停止という苦渋の決断をせざるを得なかったことについて、001に期待する消費者、そして販売店に対し、誠に申し訳なく思っております。当面は生産ラインの増設に注力して、年内の販売再開を目指します」(相模ゴム工業担当者)

 発売当初は002と同程度の売れ行きを予測していたというが、実際はその倍以上を記録。なかなか手に入れられない地方在住者を中心に、品薄で001の恩恵を享受できないことへのクレームも殺到しているという。

 しかし、通常1店舗あたり月間5箱売れればヒット商品と言われるコンドームにおいて、001は月間1000箱売れた店舗が現れ、ネットオークションでも定価の約3倍近い値で取引されるほどの異常ぶりだ。何がこのような事態を招いているのか?

「海外からの観光客がお土産に001を大量に購入したり、海外の消費者が大量に個人輸入して、自国で転売しているからですよ。実際に渋谷のある薬局では、中国人観光客が店に置いてあった001を大人買いしていったみたい。日本製のコンドームは世界的なブランド品だし、海外のコンドームは厚くて使用感の良くないものが多いから、日本製で世界最薄が売り文句の001は世界中の男性から興味を集めているんでしょう」(広告代理店関係者)

 ちなみにコンドームにはそれぞれの国でサイズなどに規格があり、規格が大幅に違う国の人間が日本規格のコンドームを使用することで、予定外の妊娠を誘発する可能性がある。こういったトラブルが起こらないためにも、一刻も早い001の国内販売再開と、海外市場への投入が待たれる。