隠居したはずの元首相たちが表舞台で息を吹き返し始めた。


 先月、転倒し歯を折るなどして体調不良だった細川護熙元首相(76)は23日、設立したばかりで活動休止が伝えられていた社団法人自然エネルギー推進会議の懇談会に姿を見せ、報道陣の問い掛けに「(体調は)大丈夫」とだけ答えた。中塚一宏事務局長(49)は「目まいがあったりするようだが、食事や話をする分にはお元気。月に2度ほどある(同会議での)活動も予定している」と、活動休止説を否定した。

 対照的に意気軒高なのが小泉純一郎元首相(72)だ。大飯原発の運転再開を認めない判決に「細川さんが都知事選に立候補したからじゃないか。差し止め判決を出しても(裁判長は)左翼と言われなくなったからだ」とご満悦。懇談会でも質問を連発し、すっかり小泉カラーに染めつつあるようだ。

 一方、生活の党・小沢一郎代表(72)を支援する集会が都内で開催され、鳩山由紀夫元首相(67)が参加。「小沢先生と戦う仲間の一人としてお認めいただければ。小沢先生が軸になってほしい」と訴えた。これには生活の党関係者も驚きを隠せず、「鳩山さんは首相辞職時に幹事長だった小沢さんを道連れにしたことで決裂していたが、まさかまた手を取り合うとは…」。


 鳩山氏は現在、沖縄を活動拠点にしている。「辺野古の海を汚してはいけない。私の人生、沖縄の皆さまに寄り添って、少しでも仕事を進めていきたい」と政界引退を表明していたはずだが、基地移転問題に首を突っ込み、今年11月の沖縄県知事選にも含みを持たせた。さらに「3・11に学べば、脱原発に向かうのは当たり前だ」とこちらも脱原発の訴え。小沢氏は細川―小泉連合との連携を模索しており、脱原発を共通項に元首相らのスクラム結成が近付きつつある。