中国サイバー攻撃のプロ「61398部隊」恐怖の実態

2014年05月25日 11時00分

61398部隊が入っているとされる上海市浦東地区のビル(インターネットから)

 中国のサイバー戦闘員は800万人!! 米司法当局は、米国企業へのサイバー攻撃で商取引上の秘密を盗んだとして中国軍当局者5人を起訴し、カーニー米大統領報道官は「国家が後ろ盾になったこの手のスパイ行為は容認しない」と中国側が活動をやめなければ今後も摘発を辞さない姿勢を表明した。だが、専門家の話を通じて、中国には数千人の“その道のプロ”がおり約800万人の民兵を操って、いつでも攻撃を仕掛けられる態勢にあるという恐ろしい実態が浮かび上がった。

 今回起訴された中国軍の当局者は、いずれも上海に拠点を置く中国軍の「61398部隊」のメンバーだ。米当局は以前から同部隊がサイバー攻撃に従事しているとみて活動を注視してきた。

 61398部隊とは、どんな集団なのか。

 中国事情通は「もともと人民解放軍は正規軍として創設された軍隊ではなく、武器を隠し持って国民党軍や日本軍と戦うゲリラ部隊から始まったもの。どちらかというとアンフェアなやり方で敵を闇討ちする勝ち方を好みます。つまりサイバー攻撃は、人民解放軍の戦術にピッタリはまっており、中国人が最も好む戦いの手法と言えます」と語る。

 こうしたずる賢い軍の中でも“闇討ち”サイバー攻撃に特化した部隊が61398部隊。拠点を上海の浦東地区に置き、正式には「人民解放軍総参謀部第3部第2局」という。2006年以降、世界の140以上の企業・団体から情報を盗み取ったとされる。中国は部隊の存在を公表していない。

「任務の核心部分は国家機密とされています。部隊には、英語に堪能で、コンピューターのプログラミングなどにたけた者が数千人所属しているとされる。他にも一般人を民兵としてサイバー戦に動員している。サイバー民兵は約800万人いるとみられる」(同)

 軍主導のサイバー部隊だけに、スパイだけでなく、いつでも攻撃を仕掛けられる態勢ができているともいう。

 たとえば、新幹線のシステムに侵入しダイヤを書き換えて列車同士を衝突させたり、銀行のシステムに潜入し顧客の口座を凍結するウイルスを投げ込んだり…。インフラや社会経済の大部分をサイバースペースに依拠している日本をはじめとする先進国が、大混乱に陥る可能性もある。

 米国での起訴内容によると、サイバー攻撃の被害を受けたのは5企業と1団体。東芝傘下の原子力関連企業ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)やアルミ大手のアルコア、鉄鋼大手のUSスチールといった米国を代表する有力企業と労働組合が含まれている。起訴された中国軍当局者の一人は、中国政府系企業との交渉を担当していたWH幹部の電子メールなどをハッキングし、機密情報を盗み出した疑いがある。今後、中国のサイバー攻撃に対する防衛力を高めることが急務だ。