厚労省が危惧するW杯観戦予定者の「ブラジル風土病」への危機意識

2014年05月18日 11時00分

 開幕まで1か月を切ったブラジルW杯をめぐり、厚生労働省が神経をとがらせている。ブラジルで感染する恐れのある風土病「黄熱」に対し、日本人サポーターの対応が十分でないからだ。

 黄熱は、南米特有の感染症で、ウイルスを保持しているネッタイシマカ(蚊)に刺されると発症。発熱、寒けなどの症状を起こし、最悪の場合は死に至る。

 世界保健機関(WHO)の昨年の発表では、世界で年間約20万人が感染、うち約3万人が死亡している。日本では、千円札の肖像として知られる細菌学者・野口英世が黄熱で死去したとされる。

 ザックジャパンの試合では6月24日(日本時間25日)のコロンビア戦の開催都市クイアバが、WHOによる黄熱予防接種の推奨地域に指定されている。

 ところが、コロンビア戦のため現地に渡航する推定約3000人の日本人サポーターのうち、大半が未接種だという。その数は「正確な数は把握できていない」(厚労省担当者)といい、1000~2000人と試算している。しかも、ワクチンを打ったといっても安心できない。「蚊に刺されても高い確率で発症は抑えられるが、100%ではない。虫よけ剤などでも対応してほしい」(前出担当者)と呼びかけている。

 12日に行われた日本代表メンバー23人の発表会見で、同省は「ブラジルワールドカップに伴う黄熱ワクチン予防接種周知のお願い」と題したリリースをメディアに配布。厚労省がこうした観戦者へ黄熱予防接種を呼びかけるのは初だという。いかに警戒しているかがうかがえる。

 ブラジルへの観戦ツアーを組む旅行代理店にも協力を求めていくという。接種料金は1万円と高めだが「観戦に行って、感染しちゃうかもね~」なんてオヤジギャグでは済まされない問題だ。