山で遭難したら「上へ上へ」が鉄則

2014年05月15日 08時00分

 12日午前9時半ごろ、山梨県甲州市塩山一ノ瀬高橋の道路で、県内の山に入って4日から連絡が取れなくなっていた東京都東久留米市の画家鈴木信太郎さん(64)が8日ぶりに保護された。山梨県警によると、大きなけがはなく、軽い脱水症状が見られるため、2~3日入院するという。

 上野原署によると、鈴木さんは「沢水と山菜などで飢えをしのいだ」と話している。スケッチをするため3日、山梨県丹波山村にある山小屋「三条の湯」に宿泊し、4日に埼玉県境にある飛竜山経由で東京、埼玉、山梨の都県境の雲取山(2017メートル)を目指す途中で道に迷った。

 携帯電話の電波が入る場所を探しながら自力で下山し、12日午前9時前に山小屋から西に約7キロ離れた集落に到着。「1週間前に遭難した者です」と110番した。

 携帯ラジオで警察が捜索していることを知ったという。

 持っていた食料はレーズンと豆1袋ずつしかなく、ジャンパーにリュックサックと軽装だったため、レインコートを着て寒さをしのいだ。

 署によると、鈴木さんは登山歴約20年で、毎年ゴールデンウイークに雲取山などで山登りをしていた。

 素人考えでは、2000メートル程度の山ならば、沢づたいに下っていけば、ふもとに着きそうだと思われるが、一番やってはいけないことだという。

 ベテラン登山家は「迷うということはその時点で、悪天候や暗さで見晴らしが悪かったりしたということ。そんな状況下で沢づたいに歩くと、急に滝や崖になって落ちてしまったり、鉄砲水が来たり、危険なんです。遭難したら、上へ上へと登っていくのが鉄則。見晴らしのいい場所に行き、視界がよくなってから、ルートを見極めて下山すべきです」と指摘する。