3Dプリンターで銃製造の男が夢見た「銃社会とメイドとの生活」

2014年05月10日 16時00分

 3Dプリンターで製造した拳銃を所持していたとして神奈川県警は8日、湘南工科大職員(27)を銃刀法違反(所持)容疑で逮捕した。3Dプリンター製の拳銃摘発は国内初。

 三次元データから金属粉や樹脂類を材料に立体物を造形する3Dプリンターは“21世紀の産業革命”と注目を集める装置だ。ただ昨年、米国では拳銃の設計データがネット上に流出し、製造される問題が持ち上がっていた。

 押収された拳銃5丁のうち2丁は十数枚のベニヤ板を貫通し、殺傷能力基準の5倍の威力があった。容疑者は過去に機械加工の工場で働いており、湘南工科大で技術指導官を務めていた。昨年、製造した拳銃を試射する動画をネット上で公開。ツイッターでは「銃を規制する社会に対する挑戦と武装の自由化のため」と堂々“犯行声明”を出し、米メディアから取材も受けていた。

 銃の自由化を訴えたのには理由があった。ガンマニアと同時に、「メイドとともに洋館で暮らすことが人生の目標」と掲げ、「幻想メイド館」と題したメイドの文化や歴史を研究したホームページを制作するほどのマニアだったのだ。

「銃=銃乱射が起きるから規制。メイド=差別職業だから現代に不要。私はこれらに立ち向かう。家政婦ではない本物のメイドとの生活が現代日本にあってもいい」。銃の規制撤廃によって、女性が自らの身を守ることで性差別がなくなり、ひいてはメイド文化が実現するとの自説を展開した。

 ツイッターでは「銃を持つことは基本的人権なので、誰もが製造できるように3D印刷拳銃の図面を普及させる」とも主張していた容疑者。皮肉にも、逮捕で3Dプリンターへの規制が求められる流れとなった。