元首相タッグ「選挙ノータッチ宣言」本当の狙い

2014年05月09日 08時00分

 2月の都知事選で敗れた細川護熙元首相(76)と支援した小泉純一郎元首相(72)が7日、原発ゼロを目指す一般社団法人「自然エネルギー推進会議」を立ち上げ、再始動した。脱原発勢力の結集へ向けての戦略は、選挙ノータッチ宣言だ。

「原発を再稼働させようとしている原子力規制委員会のメンバーは“変人”を通り越している」と自虐ネタで総会会場を沸かせた小泉氏。改めて、原発ゼロを訴えた後に驚きの発言が出た。首長選や統一地方選で、脱原発候補の擁立や支援が狙いとみられたが、「選挙にはかかわりたくない」(細川氏)、「候補者を応援することはない」(小泉氏)と肝心の選挙には触れないというのだ。

 この意表をついた表明には、選挙で特定の候補者に肩入れして起きる一本化問題が尾を引いている。都知事選では脱原発を訴える細川氏と宇都宮健児氏(67)が票を食い合い、ともに落選。支援者も分断され、一部で罵倒合戦まで発展した。

 推進会議は作家の赤川次郎氏(66)と瀬戸内寂聴氏(91)、俳優の菅原文太氏(80)らが発起人を務め、賛同人には歌舞伎俳優の市川猿之助(38)、作曲家の坂本龍一氏(62)、女優の吉永小百合(69)、ミュージシャンのSUGIZO(44)ら文化人ら30人が揃った。

「一見、“脱原発オールスターズ”にも映るが、宇都宮氏を支持した共産党系の文化人やミュージシャンの多くが名を連ねていない」(永田町関係者)

 小泉氏は選挙で脱原発候補を応援しない理由を「候補者は(脱原発以外にも)それぞれ考えがあって、政治闘争が出てくる」と発言。共産・左派系からノーを突きつけられている小泉氏が乗り出し、候補者に色をつけてしまえば、相乗りが難しくなるのは分かっているだけにストップをかけたともいえる。

 まずは脱原発の世論喚起に徹する構えだが、小泉氏は「(都知事選は)戦場の一つ。一戦場でくじけるものではなく、次の戦いに向けて頑張る」と次なる戦場を見据えており、選挙に永久にかかわらないわけではなさそうだ。