1都3県に緊急事態宣言が出されてから2回目の土日が過ぎた。

 17日、昨年春の宣言時に人出が多いと話題になった東京・吉祥寺を訪れると、アーケード街には人がいっぱい。何かを食べながら歩く若者もいた。もちろん食べているのだから、“アゴマスク状態”だ。

 飲食店が軒を連ねるエリアに行くと、立ち飲み屋など酒を提供する店が盛況。若者から年配までいて、当然ながら飲む際にマスクはしていない。注文を受ける店員すらノーマスクの店もあった。

 西村康稔経済再生担当相は17日のツイッターで「15日夜の人出は12月前半比で約半分に減った地域もありましたが、未だ昨年の緊急事態宣言時に比べ2倍となっています」とデータを使って指摘している。「昼間も含めた不要不急の外出・移動自粛の徹底で更に半分にする必要があります。今講じる対策の効果は2週間後。緊急事態宣言を長引かせないためにもご協力を宜しくお願いします」と訴えた。

 そもそも今回の宣言は前回に比べれば飲食店の時短営業に偏っている。また、国民がコロナ慣れしてしまっている事情もある。同じ効果が出ることは最初から望めなかった。

 夜の街関係者は「東京は感染者が減ってないから宣言が2月7日じゃ終わりそうにないですよね。そうなると潰れる店も多くなりますよ」とあきらめ顔。潰れないためには店を開けるしかない。開ければ客は来るが密になる。負の連鎖というわけだ。

 緊急事態宣言はどうなってしまうのか。16日、菅義偉首相は「新型コロナと共生」が持論の東京慈恵会医科大学の大木隆生教授と会談。「久しぶりに明るい話題を聞いた」と話したという。今後はコロナの封じ込めではなく、共生に傾いていきそうだ。