理化学研究所は10日、STAP細胞論文の研究不正を念頭に再発防止のための「研究不正再発防止のための改革委員会」を開いた。

 東大名誉教授の岸輝雄委員長ら6人を外部から招き、研究不正が今後起きないように、1か月後をめどに提言をまとめる。不正認定された小保方晴子氏が不服申し立て中のため「研究不正」は確定していないが、結論を急ぐ。

 委員会後に岸氏の記者会見が行われている最中に、野依良治理事長(75)は脱出。前日の小保方会見の感想を求める報道陣に対し、「規定に従ってやる」「(不服申し立ては)調査委員会の判断になる」とだけ話し、逃げるように去った。しかし、内心は激怒している。

「会見前日に『あんなもの見る必要ない』、会見後も『真に受ける必要はない」と言い放っていたほど。小保方さんの弁護団が、調査委員のメンバーに弁護士を入れろと要求してきたことにも『何様だ!』とご立腹だった。会見に至るまでの対応が、火に油を注いだ印象」とは理研内部関係者。

 しかも、小保方氏は騒動後、論文の共著者である若山照彦山梨大教授や笹井芳樹氏にわびたというが、「野依先生にはいまだ謝罪の電話一つもない」(同)という。

 とにかく理研としては今月中に再発防止策にめどをつけ、なるべく早くに「特定国立研究開発法人」の指定にこぎつけたい。文科省も今国会中に関連法案を通したい。両者の思惑は一致している。しかし、1か月の議論で大丈夫なのか。

 岸氏は「早すぎるというが、早くやった方がいいと思う。できれば1か月というのが個人的な希望。議論の期間を長くとっても、まじめに議論し始めるのは最後の1か月くらい。週に2回の会合で1か月の議論が十分ではないか」と主張する。

 スピード感ありすぎる対応に国民は納得するのか。