「ワクチンでコロナすぐ終息せず」専門家が指摘するウイルス変異

2020年12月18日 11時30分

東京都のコロナ新規感染者が最多更新。小池知事はどう動く

 東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が17日に822人となり、2日連続で過去最多の更新となった。国内の新規感染者も3211人で過去最多を更新。感染拡大が止まらない過去最大規模のパンデミック(感染爆発)となっている。ここまで感染が拡大している背景には、ウイルスが変異型になり、感染力を強めている可能性を専門家は指摘。この場合、たとえワクチンを接種してもすぐには終息しないという恐怖のシナリオの可能性が出てきた。

 東京都は822人の新規感染者が確認されたことを受け、4段階で示す医療提供体制の警戒度を「体制強化が必要」(オレンジ色)から、最高レベルの「体制が逼迫している」(赤色)に初めて引き上げた。

 小池百合子都知事(68)は同日夜に臨時記者会見を開き「年末年始は人の動きが活発になり、普段と違う動きになる。別の感染リスクも高まる。ウイルスにカレンダーはない。年末年始を感染拡大をストップさせるための特別の時期にしないといけない」と「年末年始コロナ特別警報」の発出を宣言した。

 医療機関に対しては、3000床確保している病床を4000床に増やすよう要請し、年末年始の忘年会や新年会、帰省をできる限り避けるよう求め、帰省する場合は「2週間前から会食を控えて」と訴えた。

 この日のモニタリング会議では識者から「このペースで進むと、1日当たりの新規感染者は遠からず1000人(の大台)に乗る」との指摘を受けたという。

 一方、感染者増加は東京だけにとどまらない。この日の国内の新規感染者は3211人となり、こちらも過去最多を更新。厚生労働省のアドバイザリーボードが16日に報告したように、東京、神奈川、愛知、大阪、北海道などの都市圏だけでなく、宮城、広島、高知、福岡など地方でも感染拡大の傾向にある。

 東京都について「年内に1日1000人になるのは時間の問題」と指摘するのは医学博士で防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹氏だ。

「感染拡大する悪条件が揃いすぎていると言えます。冬場の乾燥した季節性がまずあり、GoToトラベル、イートが油をさした形。特に西日本への広がりが見えてきているのが気になります」

 さらに、拡大を続けるウイルスは第1波の時から変異し、第2波、今回の第3波と徐々に感染力を強めている可能性があるとも。

「今の第3波のウイルスは、第1波の今年春とは違って環境に順応し、タンパク質が変異し、感染力を強めている可能性が高い。そうなると、人々が動きを止めてもウイルスが強くなっているので、感染拡大が急激に下がることは考えにくいのです」(古本氏)

 恐ろしいのは、この変異型ウイルスにより、来年始まる方向のワクチン接種にも影響を与えることだ。米・英国ではすでにワクチン接種が始まっており、日本でも来年半ばまでには、全国民にワクチンが行き渡るようになっているとされる。

 だが、古本氏は「今後1年間くらいは、まだ安心はできないでしょう」として、こうみている。

「ワクチンの副作用がどれくらい出るか、日本国内のウイルスにしっかりと効くのか、証明が必要になります。米・英でつくられたワクチンが、日本でのウイルスに効くのか。有効でないなら、別のワクチンを開発する必要も出てくるわけです。ワクチンは接種が始まってから、全国民が安心できるまでがかなり長いと考えた方がいい」

 感染拡大はもはや止めようもなく、ウイルスが“最強化”していた場合、来年のワクチン接種によるコロナ禍終息の時期もさらに先延ばしになりかねないというのだ。

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