楽天「鯨肉即刻販売中止」決定の背景に国際世論への配慮

2014年04月04日 11時00分

 国際司法裁判所(ICJ)が先月31日、南極海における日本の捕鯨調査を禁止した判決を受け、楽天はインターネット通販の楽天市場で、クジラやイルカの肉類の販売を今月限りとする通達を1日に出した。過剰反応ともいえる措置には、外圧に屈した背景があった。

 楽天はクジラやイルカの肉、加工品を出品禁止商材とし、今月限りで取り扱いを打ち切るように全店舗に通達した。2日の時点で、モール内には2000点を超えるクジラ肉関連の出品があった。ICJの裁定は、捕鯨調査の禁止で、クジラの商取引までを禁止したわけではない。なのに、いったいなぜ?

 楽天が大ナタを振るったのは、世界市場をにらんでのことだ。楽天市場は海外でも大々的に展開している。国際的には、ICJでの判決が下ったように捕鯨は非難される世論が占め、クジラ肉の取り扱いも反捕鯨団体や環境団体から捕鯨船同様に攻撃の対象にされていた。英の環境保護団体「EIA」は「ラクテン・ホエール・セールス」とクジラ肉を取り扱う楽天のグローバル企業としてのあり方を糾弾。楽天批判のキャンペーンを張り、既に取引自粛している米のグーグルやアマゾンを見習えと迫っていた。

 楽天といえば、医薬品のネット取引で消費者の利便性から全面解禁を迫り、三木谷浩史社長(49)は政府とバトルしていたが、今回の措置は全くの逆方向ともいえる。

 ネット上では「国内感情は無視か」「反捕鯨の尻馬に乗った楽天」と失望の声が相次いだ。本紙取材に楽天広報は「ICJの判決を踏まえ、判断した」と説明。「国際世論に配慮したのか」の問いにも「難しい判断ではありますが、判決を踏まえた」と繰り返すのみだった。他のネット通販や直接販売、店舗販売でクジラ肉は購入できるが、流通量は減る見込みで、あたかも“闇市品”扱いとなってしまいそうだ。