識者が警鐘“居酒屋や回転ずしから近海魚が消える!?”

2014年03月26日 11時00分

孤立無援だった勝川氏

 居酒屋や回転ずしから近海魚が消える!? 再三、本紙で指摘してきた不安が現実になりそうだ。水産資源の適切な管理によって漁獲量の回復を目指す「資源管理のあり方検討会」の第1回が24日、水産庁で始まった。

 漁獲高は減少の一途をたどっており、注目される解決策はIQ(漁獲枠個別割当)制度やITQ(譲渡可能個別割当)制度といわれている。各漁業者に漁獲枠が割り振られ、その枠内で利益の最大化を目指すもの。だが日本では全体の漁獲枠が定められているだけで、しかも「漁業者がどんなに頑張っても枠に届かない。あってないようなもので“資源管理ごっこ”だ」と話すのは三重大学生物資源学部の勝川俊雄准教授だ。今のままでは未成魚まで取り尽くす乱獲がなくならない。

 勝川氏は検討会の委員に名を連ねる。会の冒頭で「水産庁は、日本の水産資源の状態は悪くないという認識か?」と切り込んだが、回答は「全体として比較的安定していると考えている」。さらに勝川氏は「どこの漁村に行っても『昔はこんなに取れたのに、取る魚がいない』との話を聞く。資源があるという前提の議論はどこの国の話なのか」と訴えた。

 だが、水産庁幹部からは「現場によって不満の声が違うので、私どもはご意見をうかがっていきたい」というお役所回答が返ってくるだけ。ある委員などは「日本の漁業には、あるべき実態がすでにある。考えるべきなのは今の漁業の現状の中で考えること。批判は批判として考えて、とりあえず進めたらどうか」と言ってのけた。革新派の勝川氏は孤立無援だ。

 これでは現状維持論がまかり通ってしまい漁業の未来はお先真っ暗だ。検討会終了後、勝川氏は「この検討会はポーズ」と言い切る。「ただし、後の世のため人のためになるようにできるだけ修正したいと思う」

 次回は4月上旬。この検討会の成り行きを注視しないと、海から魚がいなくなるかもしれないというのは言い過ぎだろうか。