北朝鮮の朝鮮中央通信が、金正恩第1書記が女性音楽グループ「牡丹峰(モランボン)楽団」の公演を妹の金汝貞(キム・ヨジョン)氏と観覧したと伝えた。叔父の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長を処刑した後、一時は「極度の情緒不安定」とまで伝えられた正恩氏だが、李雪主夫人の妹を歌手デビューさせていたことも分かった。

 同楽団は一昨年7月、正恩氏が自ら指示を出して結成された。過去の北朝鮮では考えられない露出度抜群のミニスカートにワンピース姿の若い女性たちが、踊りながら歌う姿が話題を集めた。正恩氏が李夫人を伴ってVIP席から体を乗り出し「グー!」サインを送りながら観賞する様子が伝えられてきた。今回、妹の汝貞氏を引き連れて観賞したことには、ある理由が隠されていた。

「どうやら李夫人は妊娠しているみたいなんですよ。5月までに3人目の子供を出産するとみられています。その代わりに汝貞氏が正恩氏の髪形からシークレットブーツまでコーディネートして観賞に訪れたんですよ」と、平壌情勢に詳しい関係者は明かす。李夫人の妹が同楽団の歌手として本格デビューしていたことも判明。昨年の新年慶祝公演で「この歌手が、李雪主夫人の妹、李雪香です!」と紹介された。

 雪香氏は平壌のエリート音楽養成所の出身。姉の李夫人も正恩氏と結婚する前は、北朝鮮の楽団「銀河水管弦楽団」で人気歌手として有名だった。

 しかし、平壌市民の間からは「顔や歌う姿はお姉さんと似ているが、歌手としての実力はイマイチだ」との厳しい採点も。

 前出の関係者は「平壌には歌唱力のある女性歌手が他にもたくさんいます。それに雪香氏は義理の兄にあたる正恩氏のコネで楽団歌手に選ばれたと悪い評判が立っています。今後、表に出ていない金ファミリーと結婚するのではないかという見方があります」と指摘した。