「STAP細胞」の発見者とされる小保方晴子氏(30)の“パクリ博士論文騒動”が、意外な展開になってきた。ある国立大教授は、インターネットに様々な論文がアップされるようになったため、研究者の中でパクリに手を染める者が発覚して「今後、同様の剽窃(ひょうせつ=パクリ)論文が発覚するだろう。それなりの地位にいる人も不安に駆られているかもしれない」と仰天発言した。一般人には想像もつかない「科学者の世界」で今後、とんでもないことが次々に起こる!?
新たな万能細胞・STAP細胞を報告した論文の画像や表現に相次いで不自然な点が指摘された問題で、共著者の一人、丹羽仁史理化学研究所プロジェクトリーダーは12日までに「STAP細胞ができたという根幹は揺るがない」と述べた。
また、共著者のチャールズ・バカンティ米ハーバード大教授も同日「疑問や懸念は、研究結果や結論に影響を与えないと確信している」とする声明を発表した。
そんな中、このほど発覚した小保方氏の博士論文パクリ疑惑に、ある国立大教授が爆弾発言をした。「最近はネットに過去の論文もアップする流れになっている。だから、今後も同様の剽窃論文が発覚していくと思う。それこそ、現在それなりの地位にいて、不安に駆られている人もいるかもしれない」と驚きの予測をしたのだ。
ネット上には“論文盗作チェッカー”が多数ある。リポートや論文の文章が他人の文章の剽窃か否かを、研究者ではない一般人でも瞬時に調べることができる。そうなると、一流の科学者の論文のパクリが発見されるかもしれない。
「確かに他の論文を英単語の使い方などについて参考にすることはある。それでも、小保方さんの論文はコピペ(コピー&ペースト=剽窃)の歯止めが利いていない。どういう気持ちで論文を書いたのかが極めて重要になってくる」(同教授)
小保方氏が英科学誌「ネイチャー」に発表したSTAP細胞の論文の中にも、ドイツの研究者が2005年に発表した論文の一節とみられる表現が10行ほど見つかっている。
これについて同教授は「どういう経緯かは分からないが、恐らく05年の論文がOCR(光学文字認識)によってネット上で公開され、それを気づかずにコピーしたのではないか」と推測する。
自分の研究分野に没頭している人しかいないはずの科学者の世界は、性善説で成り立っている。しかし、小保方氏らの論文が“証明”したように、世界的権威のある「ネイチャー」のような雑誌に、その疑惑のあるものが掲載されたわけだ。
一方で同日、政府の総合科学技術会議(議長・安倍晋三首相)が開かれ、世界最高水準の研究を目指す「特定研究開発法人」(仮称)とする対象を、理化学研究所と産業技術総合研究所にすると決めた。新法人に決まると、優れた研究者を確保しやすくなり、高水準の給与を研究者に支払えるようになる。渦中の理研にとっては朗報だろう。
とはいえ、現段階では対象候補にすぎない。政府関係者は「今後も議論を続けて、新法人になると具体的にどうなるかなどを詰めていくことになります。そして必要な関連法案が国会で審議されるでしょう」と話す。
理研の対応次第では、国会審議で野党から新法人指定に疑問を突きつけられることもあり得る。やはりSTAP細胞問題が決着しない限り、すんなりとはいかないだろう。
科学者の世界で「パクリ論文」まだ出る
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